股関節には3つの大きな靱帯があります。恥骨大腿靱帯、腸骨大腿靭帯、坐骨大腿靱帯です。この3つの靱帯は関節包靱帯と言って関節包の線維膜部分の軟部組織が肥厚した靱帯です。靱帯は伸張・剪断力等、メカニカルストレス時に形態が変化せず、靱帯実質の緊張による静的安定化作用により関節を安定させます。逆に筋はメカニカルストレス時に伸張・収縮で筋の形態を変化させ筋出力・協調性の働きによる動的安定化作用が関節を安定させます。 股関節に於いては関節包靱帯が多く厚い部分では筋の走行が少なく、関節包靱帯が少なく薄い所では筋の走行が多く、お互いに補完するように構成されています。股関節は強い安定性が求められ静的安定化作用と動的安定化作用が協調しあい股関節の安定化に寄与しています。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |