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リハビリ通信 No.348 膝前十字靭帯損傷について

2022年06月02日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

膝関節前十字靭帯(ACL)は脛骨が前方に引き出されることを防ぐ靱帯です。膝関節前十字靭帯(ACL)損傷は膝関節の外傷の中でも重症疾患の1つです。前十字靭帯(ACL)損傷は再建術を行うことが多く半腱様筋、薄筋で作る再建靱帯または骨付き膝蓋腱の再建靱帯を使用して施行されることが主流となっています。受傷者はバスケットボール、バレーボールなどスポーツを日常的に行っている10代の女性が多く、治療はほぼ再建術へと進めて行きます。

理学療法では再建靱帯の保護を最優先として理学療法を行います。理学療法の治療内容、メニューとしては膝関節の機能向上を目的に可動域の改善、筋力向上(再建靱帯使用で半腱様筋のない内側ハムストリングスを中心に)を行い、その他にバランス向上、筋の協調性向上、筋出力の改善、深部感覚の改善などを行います。重要なことは再建靱帯が再び断裂しないように注意を払うことです。膝関節の機能向上は無論、術後3か月未満の再建靱帯が脆弱な期間および9~10か月の修復停滞期間での慎重な行動等の指導を含め理学療法を進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸