2015 年 4 月 のアーカイブ

第29回日本医学会総会2015関西

2015年04月29日(水) 院長ブログ

先日、京都で第29回日本医学会総会2015関西が開催されました。

4年に1度開催される医学会総会では「ソシアルイベント」という交歓行事が同時に開催されます。これは医師が団体・個人のスポーツから囲碁・将棋・美術・音楽など、同好の人が集まり競技や発表を行うイベントです。今総会では「ソシアルイベント」には「健康社会を共に生きるきずなの構築」という位置づけと役割が与えられているそうです。

今回、私は医学会総会には残念ながら参加できなかったのですが、「ソシアルイベント」の中で、4月12日に京都宝ヶ池球技場で開催されたソシアルイベント・ラグビーに参加しました。これは第23回全国ドクターズラグビー大会を兼ねており、全国ドクターズラグビー大会自体は2年ごとに開催されています。

大会では全国から集まった各地域のチームの選手が、やや若手とベテランに別れて対抗戦形式で試合を行いました。年齢層は幅広く、20歳代から70歳代までの選手が素晴らしいグラウンドでしのぎを削りました。

今回の大会では年代区分は厳密ではありませんでしたが、シニアラグビー(40歳以上の選手のラグビー)では年齢別に試合を行うことになっています。全国的に見るとシニアラグビーは結構盛んです。年代区分はパンツの色で区分されており、40歳代が白パンツ、50歳代が紺パンツ、60歳代が赤パンツ、70歳代が黄パンツ、80歳代が紫パンツ、90歳代以上がゴールドパンツです。私も数々のシニアプレイヤーを見てきましたが、さすがにゴールドパンツのプレイヤーはいまだかつて見たことはありません。安全のために年代が二つ上のプレイヤーにはタックルをせずにホールドという決まりがありますが、試合中はしばしばこのルールは破られます。私は52歳ですので紺パンツですが、20歳代、30歳代のプレイヤーとはスピードもパワーも違いすぎます。ただ、年齢を合わせたところで、残念ながらラグビーにケガはつきものですね。

ゲーム後のレセプションでは関西ラグビー協会会長の坂田好弘氏も駆けつけてくださいました。坂田好弘氏は1968年の日本代表のニュージーランド遠征においてオールブラックス・ジュニア戦で4トライを挙げました。翌年にはニュージーランドに留学し、カンタベリー州代表やニュージーランド学生選抜などにも選出された伝説のプレイヤーです。

当日は本当に素晴らしい好天で、快晴でした。その前後の日には雨ばかりだったので本当によかったと思います。大会世話人をされた京都の清水先生の熱意が実ったものだと思いました。私は久々に朝から夕方まで快晴の下、グラウンドにいましたので急激に日焼けをしてしまいました。酒を飲んでも顔に出ないノンフラッシャーなのに、酔っ払ったみたいな真っ赤な顔をして私が翌日出勤すると、クリニックの職員は「院長、熱があるのかしら」と噂していたようでした。

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挨拶をされる坂田好弘氏

開会式に並ぶラグビー好きのドクター。こんなにいます!

 

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リハビリ通信 No.152 脊髄損傷患者の鼻粘膜移植で麻痺改善

2015年04月28日(火) QAリハビリテーション科1新着情報

絵 脊髄損傷患者鼻粘膜

脊髄の中には神経線維の束が通っています。体を動かそうと言う脳からの指令は神経線維を経由して筋肉・関節に伝えられます。痛み、熱さ、寒さなどの感覚も神経線維を通して脳に伝えられます。様々な要因で脊髄が損傷すると神経繊維もダメージを受け損傷場所により手足の麻痺が起きます。神経線維が断裂・損傷した場合、再生しにくいため機能の回復は難しいと考えられています。

しかし、最近、新しい治療法が開発されました。「嗅粘膜移植」と言って、嗅粘膜を移植し機能回復を目指す治療が脚光を浴びています。嗅粘膜には例外的に神経の再生が起こっている嗅神経が存在し、嗅神経を含む嗅粘膜を脊髄の損傷部位に細かく切り詰め込むように移植します。この治療法はポルトガルのカルロス・リマ医師が2000年代に入り開発した治療法です。日本では大阪大学の臨床試験で8人中5人に効果がありました。

リハビリテーション室長 見田忠幸

「消化器疾患の変遷~変化する酸関連疾患の治療の実際~」

2015年04月26日(日) 院長ブログ

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先日、名賀医師会臨床懇話会が開催されました。講演は「消化器疾患の変遷~変化する酸関連疾患の治療の実際~」で講師は大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科学准教授藤原靖弘先生でした。

藤原靖弘先生によりますと、最近の酸関連消化器疾患の動向として萎縮性胃炎、ヘリコバクター・ピロリ陽性消化性潰瘍などは減少しているものの、胃食道逆流症(GERD)、NSAID潰瘍、胃底腺ポリープなどは増加しており、胃癌は発生率にあまり変化がないという傾向があるのでは、ということでした。この中で藤原靖弘先生は主に酸関連疾患として胃食道逆流症(GERD)とヘリコバクター・ピロリ陽性消化性潰瘍に関する治療などに関して解説してくださいました。

胃食道逆流症(GERD)とは逆流性食道炎のことかと私は認識しておりましたが、逆流症状はあっても食道粘膜障害を認めない非びらん性胃食道逆流症(NERD)という病態があるそうで、逆流性食道炎も非びらん性胃食道逆流症も胃食道逆流症(GERD)に含まれるそうです。

食道と胃の境(食道下端)に下部食道括約帯があって胃内容の逆流を防止しています。下部食道括約帯は通常閉じていて、嚥下運動やゲップをするときに弛緩し一過性下部食道括約筋弛緩と言うそうですがこの一過性下部食道括約筋弛緩が頻回に起こるのが胃食道逆流症(GERD)の原因と言われているそうです。

胃食道逆流症(GERD)の症状は胸やけ、ゲップ、胸のつかえ感や異物感などですが、食道外症状として胸痛、喉の痛み、咳、睡眠障害などもあるそうです。

胃食道逆流症(GERD)の治療はプロトンポンプ阻害薬内服の内科治療が主体になるそうです。しかしながらプロトンポンプ阻害薬抵抗性胃食道逆流症(GERD)はかなり多いそうで、治療者としてまず最初に考慮すべきことは服薬コンプライアンス(患者が薬を薬剤規定通りに飲むこと)と生活習慣だそうです。その他に稀な鑑別疾患にも留意するということでした。内科的治療で効果がない場合には手術治療も考慮されるということでした。

藤原靖弘先生によりますと日本ではピロリ菌感染率は急速に低下していますが、60歳以上では依然として高い感染率だそうです。感染率の差はその人が生まれた時代の衛生状況によるそうで、上下水道の普及率などによるそうです。最近では保険診療でピロリ菌除菌治療を受けられる対象が拡大されて以来、ピロリ菌除菌治療をする人が増加しているそうです。ピロリ菌感染は胃潰瘍や胃癌との関連も指摘されています。ピロリ菌除菌は2種類の抗菌薬と胃酸の分泌を抑える薬の3種類を1週間服用する方法でこれを一次除菌といい、除菌が不成功の場合抗菌薬を変更して再び除菌治療を行い、これを二次除菌というそうです。ピロリ菌除菌の問題点は一時除菌の成功率が約70%と一回で除菌できない場合も多いことで、クラリス耐性菌の増加などが影響しているようです。しかしながら新しいプロトンポンプ阻害薬の開発などにより除菌の成功率は向上してきているそうで、二次除菌は成功率が約98%に上がってきているそうです。ただピロリ菌感染したこと自体が胃癌のリスクとなるので、除菌が成功しても胃癌を100%予防できるわけではないことには留意する必要があるということでした。

藤原靖弘先生は食道癌のリスクとしてアルコールフラッシャーがあるということを教えてくださいました。飲酒により顔が赤くなることをフラッシング、赤くなる人をフラッシャー、赤くならない人をノンフラッシャーというそうです。フラッシングはアルコールが分解されてできるアセトアルデヒドの毒性によって起こるそうで、アセトアルデヒドの分解能力が低い人はフラッシングを起こしやすいそうです。実は私は飲酒してもほとんど顔色に出ないのでノンフラッシャーです。その点では食道癌のリスクが低いと喜ばしいことのはずなんですが…、顔が赤くなる代わりに最後には青白くなり翌日まで気分が悪かったりします。どちらがいいのか、悪いのか?ビミョーですね…。

待ち時間のお知らせ (4月20日~4月25日)

2015年04月26日(日) 待ち時間のお知らせ1新着情報

4月20日~4月25日

日本マスターズ水泳大会

2015年04月25日(土) 院長ブログ

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日本マスターズ水泳大会が全国各地で開催されているそうです。5歳ごとの年齢区分で、ベテランのスイマーたちが競う大会だそうです。先日、当院通院中の70歳代の患者さまが大会の銀メダルと銅メダルを持ってきてくださいました。今月、大会に出場し獲得されたそうです。尚、その方は日本マスターズ水泳大会の常連で、しょっちゅうメダルを獲得する活躍をなさっているそうです。

「歩くのにも腰が痛くて…」とおっしゃるのですが、水の中では痛みを忘れるそうです!

スイマー恐るべし、ですね。