2012 年 9 月 のアーカイブ

2012年09月30日(日) トップインフォメーション

報・連・相を実行し、プロとしての誇りと責任を自覚します。

 

秋山整形外科クリニックスタッフ

インフルエンザ予防接種の予約を開始しました。

2012年09月30日(日) クリニックインフォメーション1新着情報

受付時間内に直接受付窓口でお申し込み頂くか、電話でも受け付けております。

当院では13歳以上の方を対象としておりますので、よろしくお願い申し上げます。

詳細は受付窓口でお尋ね下さいますようにお願い致します。

リハビリ通信 No.40 関節の腫れと痛み

2012年09月29日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

外傷や過度な運動などで運動器の組織が損傷すると、炎症反応が起こり、腫脹(腫れ)を生じます。

腫れは関節の内圧を上昇し、痛みを感じやすい状態にしてしまいます。つまり、腫れていると皮下の組織はゆとりがなくなり、関節運動をするときに圧の変動が大きくなるため痛みが生じやすくなります。さらに、腫れは筋の働きを抑制したり、関節の周りにある軟部組織の伸張性を低下させたりすることが報告されています。

腫れが長く溜まったままの状態は痛みを感知しやすくなるだけでなく、関節可動域の制限や筋力の低下を引き起こす原因の一つとなってしまいます。そのため、運動療法を行う前に腫れを十分に管理することが必要となります。

腫れを軽減するためには、炎症が起きた直後はRICE処置(リハビリ通信No.38参照)が重要です。しかし、ある程度炎症が落ち着いてきても腫れが残存している場合は、軽い筋の収縮運動によって循環状態を改善することが効果的です。

身体の窪みのある部位や心臓から遠い部位などの腫れが溜まりやすい部位は、ガーゼやパットをあてがい弾力包帯などで軽く圧迫しながら、心臓より高く挙上した状態で筋の収縮運動を行うとさらに腫れが軽減しやすくなります。

リハビリテーション科 奥山智啓

 

アキレス腱断裂

2012年09月27日(木) QAスポーツ整形1QA整形外科1新着情報

アキレス腱断裂はスポーツ中に発生することが多く、30から50歳代の方によく起こります。バレーボール、バドミントン、テニスなどのスポーツ中に起こることが多く、踏み込みやジャンプなどの動作で起こることが多いです。受傷時には、後ろから誰かに蹴られた、あるいは何かが当たったような感覚がする場合が多いようです。受傷後にはアキレス腱部の腫脹、疼痛、陥凹などが認められますが、受傷後でも歩行が可能な場合が多くアキレス腱断裂の存在がわかりにくい場合もあります。ただ歩行は可能でも、つま先立ちは不可能になります。

治療はギプスと装具などを用いる保存治療(手術をしない治療)と手術治療のどちらかが選択されます。手術治療でも、術後にはギプスや装具を用いる場合が多いです。以前は手術治療が選択される場合が多かったですが、最近は保存治療を選択される場合も増加しているようです。どちらの治療法を選択しても、合併症として治療中に再断裂を起こす危険性はあります。他の合併症として手術治療では稀に手術創感染などが問題になることもあります。それぞれの利点、欠点を踏まえて、年齢、活動性などを考慮し治療法を選択します。

最近の文献によりますとアキレス腱断裂の保存治療と手術治療の比較ではふくらはぎの筋力と下腿周径の回復で手術治療の方が少し上回ったものの臨床的に大差はなかったので、ほとんどの方には保存治療が勧められるが一部の条件の方には手術治療が勧められるということです。この報告では保存治療群では再断裂は6.6%に、手術治療群では再断裂は3%、感染は1.5%に起こっています。

 

参考文献

Bergkvist D, Astrom I, Josefsson P-O, Dahlberg L E. Acute Achilles tendon rupture. A questionnaire follow-up of 487 patients. J Bone Joint Surg Am.2012 Jul;94:1229-33.

慢性腎臓病(CKD)

2012年09月25日(火) 院長ブログ

先週に名賀医師会館で、の村信介先生の慢性腎臓病(CKD)に関する講演がありました。

の村信介先生は奈良県山辺郡出身で三重大学医学部附属病院 腎臓内科・血液浄化療法部 准教授として活躍され、現在は鈴鹿回生病院、名張市立病院などで腎臓内科外来を担当しておられる腎臓病の権威であるご高名な先生です。

腎臓は加齢により衰える臓器なので、長寿社会が進むほど慢性腎臓病(CKD)の患者が増えます。そしてそのまま放置すると腎不全になってしまい、透析療法や腎移植が必要になってしまいます。現在日本では約30万人の方が透析を受けておられ日本の人口4000人に1人の割合で、世界第1位です。透析導入の年齢は男性では70歳、女性では75歳くらいが最も多く、日本の高齢化を象徴しているように思えます。慢性腎臓病(CKD)の割合は、日本成人人口の約13%であり、1330万人がCKD患者です。

弱った腎臓を鍛える方法はないので、弱った腎臓を守ることが原則で、腎臓を休ませる、頑張らせない、早期発見、早期治療、増悪因子の除去などが重要です。このためにはやはり生活習慣の改善が最も重要なようです。特に禁煙、減塩、肥満改善などです。塩分は1日3gから6g未満が勧められますが、日本人の標準塩分摂取量は12g近いらしいです。糖尿病は慢性腎臓病と密接に繋がっており、糖尿病のある場合には脳血管障害、心臓血管障害を起こす危険度が高いということです。水分の過剰摂取や過度の制限は有害だそうです。早期発見には尿検査、血液検査が必要です。

「腎臓病医」は、今や「糖尿病医」以上に生活習慣改善について説かなければいけないと、の村信介先生はおっしゃっていました。腎臓病の専門医は全国で3600人余りだそうです。日本におけるCKD患者の増加から考えると、余りに少ないと思われます。超高齢化社会を迎えて、われわれ一人一人の自覚が最も重要かもしれませんね。