2019 年 11 月 のアーカイブ

リハビリ通信 No.308 肩関節の機能について

2019年11月29日(金) QAリハビリテーション科1新着情報

一般的に言う肩関節は、上腕骨と肩甲骨から構成される肩甲上腕関節(GH Glenohumeral joint)です。しかし、肩関節機能として考えると肩甲胸郭関節も含めて考えて行きます。

人が上腕を挙上する場合、上腕が上に挙がるだけではなく、肩甲骨が補助をしながら上腕を180°垂直まで挙上します。肩甲骨の動きを止め、上腕だけで挙上した動きは90°〜100°ぐらいです。上腕骨の挙上時の動きと肩甲骨が上方回旋(上向きに回転する)する動きが合わさり180°挙上が可能となります。

理学療法士は治療をする際、肩甲上腕関節だけではなく肩甲胸郭関節も含め、治療を進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸

小児救急医療講習会

2019年11月26日(火) 院長ブログ

先日、名賀医師会小児救急医療講習会が開催されました。講演は「節足動物媒介感染症~デング熱などの輸入感染症に備えて~」で講師は国立病院機構三重病院小児科・臨床研究部長谷口清洲先生でした。

節足動物とは何だったかな?と、私は中学の時に習った生物をおぼろげに思い出していましたが、節足動物媒介感染症は昆虫やダニが病原体を媒介してヒトが罹患する感染症であるそうで、谷口清洲先生は特に蚊を媒介とする感染症であるマラリア、日本脳炎、西ナイル熱、デング熱、チクングニア、ジカ熱などについて解説して下さいました。

谷口清洲先生はまず、マスギャザリングについて解説して下さいました。マスギャザリングとは一定期間、限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団で、オリンピック、ワールドカップ、Hajj、その他主要なスポーツ、宗教、文化のイベントは全て該当するということでした。日本では、今年はラグビーワールドカップ日本大会2019が開催され、来年は東京2020オリンピック・パラリンピック大会が開催され、まさにマスギャザリング目白押しですね。法務省の統計によりますと、2017年は約2700万人の外国人が入国し、東京オリンピックの開催される2020年は4000万人、更に10年後の2030年には6000万人もの外国人入国者数が目標とされており、国を挙げて推進しているようです。東京オリンピックにおいて海外からの訪日客が増加することで、輸入感染症が増加することも推測されているそうです。季節の異なる国からの来訪者から持ち込まれることもあるということで、今年の夏には沖縄県でインフルエンザの流行を認めたそうです。

輸入感染症におけるリスクは、一般的に知られておらず診断が難しいことや、早期探知が遅れると院内感染、地域でのアウトブレイクに繋がること、診断・治療になれておらず重症化するリスクが高いこと、元々日本になかった病原体が日本に根付いてしまう日本への土着の問題などであるそうです。

日本における戦後マラリアは、1950年代にはかなり収束したそうですが、現在も毎年数十の単位で年間届出数を認め、全て輸入例であるということでした。マラリアはマラリア原虫を持った蚊(ハマダラカ)に媒介されて人に感染する寄生虫症です。マラリア日本人患者の感染国はアフリカ、オセアニア、南米などであるそうです。動物に媒介される感染症(人獣共通感染症)では動物は最も気候の変化に影響を受けやすいということで、気温が高くなるとマラリアが増加するそうです。地球温暖化も影響しそうですね。

日本脳炎は蚊(コガタアカイエカ)により媒介され、日本脳炎ウイルスによって起こる感染症で、人に重篤は急性脳炎を起こすそうです。致死率が20~40%で、生存者の45~70%に後遺症が残るということです。日本脳炎の分布は主にアジアで日本ではワクチンの定期接種ですでに流行は阻止されているそうです。人から人への感染はないそうで、ブタの体内でいったん増幅した血液を蚊が給血し人を刺したときに感染するそうです。ブタだけでなく、イノシシ・馬も中間宿主になり得るそうです。2015年に千葉県で0歳の男児が日本脳炎を発症したそうです。そのことより標準的な定期接種が3~4歳とされていたが、現在では最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対しては生後6ヶ月から日本脳炎ワクチン接種を開始することが推奨されているそうです。

デング熱は蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)によって媒介されるデングウイルスの感染症です。世界的に増加してきており、暖かい地域で流行するそうです。本邦における輸入デング熱症例数は近年増加してきています。2014年には東京都や兵庫県で、国内でデング熱に感染したことが確認された患者が報告されました。デング熱は海外渡航時に感染し帰国後発症した輸入症例が年間200例以上報告されているそうですが、海外渡航歴のない人でも発症していることから厚生労働省から注意喚起の通達もありました。デング熱は軽症例が多いために診断は簡単ではないということでした。小児の感染の半数は無症候性であるそうです。

ジカ熱は蚊を媒介とする感染症でジカウイルス感染症です。2016年には中南米で流行し、ブラジルで小頭症の赤ちゃんが急増したそうです。ジカウイルス感染症は無症候性感染が60~80%にも上るそうで、症状が軽いために気づきにくいこともあるそうです。妊娠中にジカウイルス感染すると胎児に小頭症等の先天性障害をきたすことがあることから世界保健機関(WHO)は、妊婦は流行地域への渡航をすべきでないと勧告しています。帰国後ジカ熱と診断された日本人旅行者は結膜炎や体幹、手掌の発疹などを認め、手掌に発疹を認めることは珍しくジカ熱に特徴的であるということでした。平成28年にはブラジルから帰国した男子高校生がジカ熱感染と診断され、中南米流行後、国内初と厚労省が発表しました。そういうこともあり、東京では問診の時に海外渡航歴を聞くことが通常となっているそうです。

谷口清洲先生によりますと、2015年のデータでは、最も人間を殺している動物の第1位は、なんと蚊で83万人殺している動物であるそうです。ちなみに第2位は人間で58万人、第3位はヘビで6万人、第4位はハエ、第5位は犬だそうです。それにしてもユニークなデータがあるものですね!蚊は他の獰猛な動物や人間よりも最も危険であるなんて、本当に驚きでした。

骨粗鬆症とともに Vol.35 いつのまにか骨折を予防しましょう

2019年11月24日(日) 新着情報1骨粗鬆症

骨粗鬆症や骨粗鬆症による骨折を予防するためにはどんな運動をしたらいいですか?と日常の診察場面で患者さんから聞かれることがよくあります。運動というと毎日ウォーキングや水泳など、時間や運動の種類を決めて行う必要があると思いがちですがそんなことはありません。なかなか運動習慣が身につかない、忙しくて時間ないという方は、毎日自宅で簡単にできる筋トレから始めてみてはいかがでしょうか。

背中の痛みの原因が実は圧迫骨折だったという、いわゆるいつのまにか骨折をおこしている方はめずらしくなく、放置しておくとさらに骨折が連鎖します。そうならないための予防のひとつとして背筋を鍛えることをおすすめします。

背筋運動のやり方1

1. うつ伏せに寝て両足は少し開く。両手を軽く組んで腰におく。

2. 息を吐きながらゆっくり上体をそらせる。

少し胸が浮く程度でも十分効果があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背筋運動のやり方2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1. 椅子に腰かけて両手を肘から直角に上に上げる

2. ゆっくり息を吐きながら胸をぐっと張って両腕を高さを変えないで両側に開く

3. 息を吐きながらゆっくり上体をそらせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4. 息を止めてそのまま10秒静止。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5. 息を吐きながら5秒そのまま静止。

このような方法で毎日10~20回継続して行うと、背筋が鍛えられ圧迫骨折を予防することができます。毎日少しずつ積み重ねることが大切です。

 

骨粗鬆症マネージャー 石山 瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

引用、参考文献

骨粗鬆症の最新治療、石橋英明監修、主婦の友社、2016

Familie*

2019年11月23日(土) 院長ブログ

今季のFamilie*のお花が届きました。

もうすぐ来るクリスマスシーズンに向けて、華やかですね!

待ち時間のお知らせ(11月18日~11月22日)

2019年11月23日(土) 待ち時間のお知らせ1新着情報