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リハビリ通信 No.349 滑液包と脂肪体について

2022年07月10日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

滑液包は水分(滑液)が閉じ込められた閉塞性の膜状の組織です。脂肪体は皮下脂肪の脂肪組織とは違う柔軟性があり流動性のある脂肪組織です。人間の身体はバラバラになっている骨が関節包、靱帯、筋で繋がり筋が収縮することにより、骨が関節構成体として動き関節機能が働きます。関節構成体の軟部組織が動いた場合、腱と骨、靱帯と骨の組織間では摩擦、ストレス、損傷が起きます。常に軟部組織は損傷の危険に晒されています。人の生体防御反応として少しでも、そこにかかる負担を減少させようと滑液包、脂肪体が効果的に存在します。身体の中でも安定性と可動性が求められる膝関節は脂肪体、滑液包ともに豊富に存在します。また、豊富に存在する両軟部組織は疼痛の要因にもなります。

理学療法は脂肪体、滑液包が拘縮、癒着によりメカニカルストレスに対して疼痛を発症した時、柔軟性、滑走性の獲得を目的に癒着剥離操作、筋の収縮・滑走性促進などの治療を進めます。滑液包炎などケミカルストレスに対しては注射など医師の治療が必要となります。

リハビリテーション室長 見田忠幸