2019 年 10 月 のアーカイブ

伊賀・名賀合同臨床集談会

2019年10月27日(日) 院長ブログ

先日、伊賀・名賀合同臨床集談会が開催されました。

臨床病理検討会は名張市立病院研修医前澤彬人先生が「心アミロイドーシスの一例」を報告され、三重大学医学部付属病院病理部助教林昭伸先生が病理解剖所見に関する詳細な解説をして下さいました。大変参考になりました。ありがとうございました。

特別講演は「帯状疱疹のマネジメント~疼痛管理を含めて~」で講師は三重大学大学院医学系研究科皮膚科学准教授波部幸司先生でした。

整形外科を受診される腰痛などの症状を訴えておられる患者様にも、時にはひょっとしたら帯状疱疹なのかな、と考えることもあります。初診時に発疹や水疱ができていれば、「これは皮膚科受診して下さいね。」となりますが、帯状疱疹は神経痛のような症状発現から遅れて紅斑、水疱、痂皮といった皮膚症状が出現するので、初期には判別しにくいことがよくあります。波部幸司先生は帯状疱疹の疫学、診断、治療、様々な帯状疱疹について、ワクチン、疼痛管理などについて詳しい解説して下さいました。

波部幸司先生によりますと日本人は80歳までに、約3人に1人は帯状疱疹になると言われているそうです。帯状疱疹の皮膚症状が治った後も、約2割の人に長期間痛みが残ってしまう可能性があり、帯状疱疹後神経痛というそうです。波部幸司先生によりますと、帯状疱疹の治療目的は皮疹拡大の阻止、合併症の阻止、知覚神経障害軽減、ウイルス拡散防止などであるそうです。抗ウイルス薬による治療では、できるだけ早期に治療開始することが重要で、効果発現まで2~3日はかかること、内服は途中でやめずに7日間服用すること、用法用量を厳守することなどが重要であるそうです。皮膚症状が重症な場合、汎発性皮疹を伴う場合、免疫力低下、激烈な疼痛を伴う場合、合併症が見られた場合などは入院治療を要することがあるということでした。

波部幸司先生によりますと、顔面帯状疱疹で鼻の上に発疹を認める場合に結膜炎、角膜炎などの眼症状を伴う場合が多く、三叉神経第1枝領域であるためでハッチンソン徴候というそうです。頬部、下顎から肩にかけての帯状疱疹では顔面神経麻痺、味覚障害、内耳障害などを伴うことがあり、ラムゼイハント症候群というそうです。脊髄にまで炎症がおよぶと運動麻痺が起こり、帯状疱疹後脊髄炎というそうです。仙骨部の帯状疱疹では膀胱直腸障害を起こすこともあるそうです。

波部幸司先生によりますと、帯状疱疹の疼痛管理は薬物療法が中心になりますが難治例が多いということで、早期発見、早期治療が最も重要であるということでした。

波部幸司先生は専門外の私にも、大変わかりやすく解説して下さいました。本当にありがとうございました。

待ち時間のお知らせ(10月21日~10月26日)

2019年10月26日(土) 待ち時間のお知らせ1新着情報

リハビリ通信 No.306 関節の構成について

2019年10月25日(金) QAリハビリテーション科1新着情報

運動療法学総論より

 

関節は骨と軟部組織から構成され骨と骨とを軟部組織が連結をして一つの関節として成り立っています。連結しているだけではなく、一定の範囲の可動性があります。

軟部組織の構成を簡潔に言うと最内層は滑膜という疎性結合組織でその上を関節包、靱帯、筋の順で多層となり積み重なっています。また、関節最内層の関節腔の中は滑液で満たされ無菌状態です。例えば変形した骨を人工関節に置換した場合、異物を挿入するわけなので、感染には注意が必要です。理学療法士は関節構成体の解剖学的な理解を踏まえ、更に機能的な関節運動も理解し、治療を行います。

リハビリテーション室長 見田忠幸

「一生寝たきりにならない「おしり」の鍛え方」

2019年10月22日(火) 院長ブログ

宮田重樹先生著の「一生寝たきりにならない「おしり」の鍛え方」を読みました。宮田重樹先生は富田林市で宮田医院を開業しておられますが、奈良医大整形外科の先輩でもあります。宮田重樹先生は整形外科のみならず介護予防にも造詣が深く、著書も十数冊記しておられ、いずれもベストセラーだそうです。

宮田重樹先生は「不便でない日常生活」を送るための最も重要な要素は「寝たきりにならず、2本の脚で立って歩ける」ことであるということから「歩ける体づくり」を主目的として、そのために特に重要なおしり周り・下半身の強化に主眼を置いて本書を記したということでした。

宮田重樹先生によりますと、おしり周りにおいて股関節、仙腸関節、大臀筋などが特に重要性であるということでした。40~50代からの「健康行動」を勧めておられます。トレーニングの方法は豊富なイラストでわかりやすく、ウオーミングアップ、難易度で分類したトレーニング、さらにはトレーニングプログラム、症状別トレーニングと詳しい解説です。イラストのわかりやすさが秀逸ですね!

宮田重樹先生はプラスアルファの生活習慣として、よい姿勢、バランスのよい食生活、よい睡眠、笑いのパワーでストレス解消などを勧めておられ、これらも解説がわかりやすく、とても実践的です。

とてもわかりやすく参考になる本であると思いました。

健康・医療介護福祉フェスタ2019

2019年10月19日(土) 院長ブログ

11月10日に名張市役所、名張市防災センターにおきまして、健康・医療介護福祉フェスタ2019が開催されます。テーマは「健康づくり、在宅医療・ケアを学ぼう」ということです。

特別講演は「やりたいことをやり続けるために~市民が地域を創る~」で講師は四国医療産業研究所所長、日本医師会総合政策研究機構客員研究員櫃本真聿先生です。

健康・医療介護福祉フェスタ2019の主催は、健康・医療介護福祉フェスタ運営委員会、名張市、名賀医師会、伊賀歯科医師会です。