リハビリ通信 No.341 超音波画像診断装置の活用

2022年02月03日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

当院のリハビリテーション科におけるエコー

超音波画像診断装置(以下、エコー)は、超音波を送受信するプローブから生体内に受信し、画像表示するものです。骨や筋肉など各組織によって透過性が異なるため、それぞれの組織で観え方は変わります。エコーの利点は、侵襲が少なく簡易的に検査できることです。

整形外科医においては、画像診断や注射を打つ時などに活用し、我々理学療法士においては、理学療法評価(どこが痛みや可動域の制限になっているのかなど)や運動療法を実施する際に活用することがあります。

当院では、診察室とリハビリ室に設置しております。

リハビリテーション科 河田龍人


リハビリ通信 No.340 肩関節周囲炎における更衣動作のADL指導

2022年01月09日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

肩関節周囲炎とは、肩関節に痛みと動きの制限をもたらす疾患の総称です。肩関節周囲に痛みを感じて来院される患者様の中には、更衣動作(服の着脱)時や就寝時の痛みを訴えている方は多くみえます。更衣動作では、何気なく患側の肩(痛い方の肩)を後ろに引いたり、捻りが入ると痛みが生じる場合があります。その場合のADL指導は下記をご覧ください。

【洋服を着る時】

患側の袖を先に通し、頭、健側の順番で袖を通します。

【洋服を脱ぐ時】

健側の腕から先に抜き、頭、患側の順番で袖から腕を抜きます。

上記の方法で着脱すれば、できるだけ患側を動かさない状態で実行することができます。

リハビリテーション科 河田龍人


リハビリ通信 No.339 歩行について

2022年01月02日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

理学療法を受けている患者さんの中には、歩行が不安定な跛行が見受けられる方も多くいます。正常な歩行から逸脱し、歩容に異常をきたしている状態を跛行と言います。原因には骨・腱・関節・筋・神経等の異常が考えられます。歩行を考察する上で歩行動作を端的に言うと連続した片脚立位の繰り返し運動と考えられます。つまり、片脚立位が出来なければ正常な歩行が不可能であるとも言えます。片脚立位に全荷重が股関節・膝関節・足関節に加わり、骨盤が極端に傾かない様に股関節周囲筋、体幹筋が協同で作用しバランスが調整され骨盤の安定性を維持します。

理学療法では各々の関節が荷重時に作用しているのか、骨盤・体幹は歩行の中でスムーズに安定性と可動性が行えているのかを評価します。治療では筋力低下なのか、拘縮が問題なのか、神経・中枢の問題なのか考察して進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸


リハビリ通信 No.338 膝の痛み ADL指導

2021年12月19日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

変形性膝関節症等で階段昇降時に膝の痛みを訴えている患者様は多く存在します。階段昇降時は、膝が曲がった状態に加え、体重の3〜4倍のストレスが加わり疼痛が発生します。

我々理学療法士は、可動域改善等の局所へのアプローチだけでなく日常生活でどうしたら痛みが少なく過ごせるのかも指導させていただいています。階段昇降時痛に対しては、昇段時は良い方の脚から先に出して2足一段で、降段時は痛い方の脚から先に出して2足一段等とアドバイスさせていただくことがあります。

リハビリテーション科 河田龍人


リハビリ通信 No.337 坐骨神経について

2021年12月10日(金) QAリハビリテーション科1新着情報

坐骨神経は腰椎神経溝から殿部、大腿後面を走行し、さらに脛骨神経と総腓骨神経に分岐し下腿後面、足底、足趾へと走行しています。走行距離が長く、人体最長の末梢神経と言われています。走行距離が長い事により、走行途中で筋間を通る箇所があり、筋の炎症、腫れ、腫脹、攣縮など筋の圧迫を受け絞扼され、そして、坐骨神経が肢位により圧迫、滑走性障害の影響を受けやすいと考えられます。坐骨神経の腰椎神経根部(坐骨神経が脊椎神経溝の外に出る部分)では椎間板ヘルニア、変形性腰椎症など他の組織による圧迫、絞扼障害を受け坐骨神経が変性、線維化を来たし疼痛・痺れを発症することがあります。

理学療法では筋の柔軟性低下、攣縮、短縮、拘縮など軟部組織の問題と坐骨神経の滑走障害を改善するように治療を進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸