現在、スマホは日常生活でも浸透し必需品になっています。しかし、スマホに使用されている青色光が将来、問題になる可能性があると言われています。 スマホの画面は白色LEDの輝きにより明るさ、見やすさ、省エネで寿命も長くなり進化してきました。また、照明にも広く使用されています。画面上に白色が表出されるのは、今まで無かった青色が開発され光の3原色が完成されたからです。白色は青色と黄色の光を混合しているため、とくに青色の波長が強いのが特徴です。その他の身近な光の特徴は、太陽光は青色だけではなく紫外線も含め、あらゆる波長の光が混じっています。白熱灯の光は赤色が強く出ています。 青色光が問題になる点は、青色光は波長が短くエネルギーが高く、目の奥の網膜まで達し活性酸素を発生させ、そこに障害を起こす可能性がある事と、昼間の日光にしか存在しない青色光が夜間に存在する事で、人間の日周リズムに影響を与えると考えられます。これは夜間であるのに体内時計を制御するホルモン(メラトニン)を刺激した結果、体内時計が狂うためです。対策としては液晶画面に貼るフィルム、青色光を弱める眼鏡使用などが考えられます。 青色発光ダイオード(LED)が発明され、日常生活の中で使用され始めたのは僅か数年の話で将来どんな影響がでるかは明確ではありません。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |
腱板損傷すると肩関節の自動拳上が困難になります。腱板損傷に対する整形外科検査にはdrop arm sign、painful arc sign、empty can test、full can testなどがあります。 ・drop arm sign:被験者は座位になり、検査者が被験者の手首を持ち、肩関節90°以上外転位から手を離してゆっくりと下降させる。または、90°外転位で保持させる。腱板が損傷しているとスムーズに下降または、保持できなくなります。 ・painful arc sign:肩関節の自動運動において腱板損傷していると拳上角度60~120°で疼痛が生じます。 ・empty can test:前腕回内位、肩関節内旋位で外転位を保持させて、抵抗を加えます。 ・full can test:前腕回外位、肩関節外旋位で外転位を保持させて、抵抗を加えます。 empty can test、full can testともに肩関節を外転位で保持させることで腱板筋の収縮を促すため、腱板筋に損傷があると収縮時痛が生じます。整形外科検査以外にもレントゲンや夜間痛の有無の確認などの評価を行っています。 リハビリテーション科 服部 司 |
「骨棘(こつきょく)」とは、骨に繰り返し衝撃が加わったり、骨に付着する靭帯などの軟部組織が繰り返し牽引されることにより生じる、いわゆる骨の変形です。骨は部位にもよりますが、丸みを帯びた形態となっています。そこに機械的ストレスが加わることで生体防御反応が働き、骨棘を形成すると考えられます。 この骨棘は、関節を安定させよう、異常な動きを制動しようという防御反応です。その一方で、様々な制限因子にもなります。例えば変形性膝関節症においては、この骨棘が形成されることにより骨の大きさは元のサイズよりも若干大きくなってしまいます。そのため、膝関節周囲を覆っている筋肉は通常よりも伸張されなければならないようになります。靭帯においては、今までよりも大きく滑走できるだけのゆとりが必要となってきます。また、手関節周囲での骨棘が形成されると、腱と接触し、そこで生じる摩擦ストレスによって腱が断裂してしまうこともあります。このように、可動域制限の因子となったり、二次障害の原因にもなってしまいかねない組織でもあります。 当院の理学療法士は、この「骨棘」の有無や形態などをレントゲンでチェックし、どのような運動が効果的なのか、どのように操作すれば安全なのかなどを評価しながら運動療法を実施しています。 リハビリテーション科 小野正博
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現在、「2025年問題」が話題になっています。2025年に団塊世代がすべて75歳以上になり、3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になります。従って、入院患者や介護を必要とする高齢者が増加し現在の医療介護サービスでは対応できないとされている問題です。 何が一番の根本的な問題になるかと言うと、根底には医師、看護師、介護士など医療スタッフの人的不足があり、それらの起因により医療スタッフの疲弊による事故、救急医療の崩壊、地域医療の崩壊が考えられます。また日本の医療システム自体にも問題があり、日本は他国に比べ在院日数が長く、かかりつけ医によるフォローシステムなどができていないなど、医療の分業化・連携がなされておらず本来の医療的行為・治療とのミスマッチングが見られます。 「2025年問題」は今後どのような対策を施すのか大きく分けると ①病院機能の分化 ②連携 ③地域包括ケアシステムの構築を推進 ④予防医学にも重点的に手をかけるなど医療、社会の在り方について根底から見直し、そして医療界だけではなく社会基盤の整備も含めシステムの再構築が必要であると考えられます。つまり、医療機関に極力お世話にならない予防医療と本来かかるべき医療機関での効率的で適切な治療、薬剤、期間の改善が重要であると考えられます。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |
腱板とは、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋により構成されており、腱板断裂が生じると疼痛や運動障害が生じます。腱板断裂が起こる原因として、加齢に伴う腱板の変性や機械的ストレスなどが挙げられます。 腱板断裂の形態として、腱全層が断裂している完全断裂と一部の層が断裂する部分断裂に分けることができます。完全断裂には、断裂部の広がり程度により、小断裂(直径1cm未満)、中断裂(直径1cm以上3cm未満)、大断裂(直径3cm以上5cm未満)、広範囲断裂(直径5cm以上)に分けることができます。部分断裂には滑液包面断裂(表層断裂)、関節包面断裂(深層断裂)、腱内断裂に分けることができます。 腱板損傷の程度により、保存療法や手術療法を選択し、肩関節の拳上運動の獲得や運動時痛の消失を目指し理学療法を行っています。 リハビリテーション科 服部 司 |