リハビリ通信 No.181 自己免疫疾患とは

2015年12月27日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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免疫とは、人の体内に侵入したウイルスや細菌などの病原菌を排除する防御システムのことを言います。この免疫機能があることで人は簡単に病気にならないようになっています。しかし、自己免疫疾患にかかると病原菌を認識し、排除する役割をもつ防御システムが正常に機能しなくなり、自分自身の正常な細胞や組織に対して攻撃を加えてしまう病気のことを言います。

自己免疫疾患には、特定の臓器に限られて症状が現れる臓器特異的自己免疫疾患と全身にわたり影響を及ぼす全身性自己免疫疾患の2つに分けることができます。前者には、バセドウ病や重症筋無力症、橋本病などが挙げられます。後者は、関節リウマチなどが挙げられます。症状は障害部位により異なりますが、発症すると炎症や疼痛、関節変形、脱力感、黄疸などの症状が現れます。

自己免疫疾患の診断は血液検査の結果と症状を照らし合わせて行われます。

リハビリテーション科 服部 司


リハビリ通信 No.180 パーキンソン病について

2015年12月24日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

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パーキンソン病とは、未だに原因が不明の神経疾患です。脳の器質的変化としては、中脳の黒質という部分が変性し、神経伝達物質であるドーパミンの産生が減少するため、様々な運動機能障害を呈することが知られています。手足が震える、筋がこわばって動かしにくい、歩く際に足が出にくいなどの症状があります。その中でも「突進現象」というものがあり、歩行しようとしても一歩が出ず、体だけが突進するように進んでしまうことにより前へ転倒するといった症状があります。このような突進現象は日常生活動作の制限となると共に、転倒してケガをする危険性が非常に高くなります。しかし、同症状を呈する方は、足を出すタイミングを口頭で支持することにより足を前へ出しやすくなるという特徴もあります。例えば歩行開始時に「右、左、右、左」、「1、2、1、2」といった掛け声をすることで歩きやすくなります。

当院では、パーキンソン病の症状を有する方、歩行が不安定な方の歩行介助をする際、疾患の特性を勉強し、転倒を回避するような歩行介助を心がけております。

リハビリテーション科 小野正博


リハビリ通信 No.179 日本と欧州各国の認知症の取り組みについて

2015年12月13日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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高齢化が進み、世界の認知症患者は2050年までに3倍増になります。世界各国でその対策に取り組んでいます。日本では2015年1月に認知症で初の国家戦略を決定しました。欧州では患者が住み慣れた地域で長く暮らせる体制作りを目指して多様な試みを進めています。各国の計画はアルツハイマー病の早期発見・研究促進に加え認知症患者を孤立させず、できるだけ長く自宅で生活できる支援体制作りを重視しています。

フランスでは2001年に初の「アルツハイマー5か年計画」を策定し、病院・訪問看護師・介護士のネットワークが全国に250か所設立をされました。専門家が高齢者の自宅で早期テストを行い必要に応じてケア体制を取り組む仕組みが整い、介護を担う家族への支援強化、患者と家族が共に長期滞在できるバカンス施設の増設が進められています。

ドイツでは10人前後の認知症患者がアパートや一軒家で共同生活するシステムが普及しています。オランダでは公団住宅の真ん中に認知症村を作り患者の自由を最大限に尊重し公団の住人、職員が常に支援する体制を作っています。

各々の国は高齢化の進展で福祉予算の抑制を迫られる中、施設に頼らず患者の自活を支える体制作りを模索しています。

リハビリテーション室長 見田忠幸


リハビリ通信 No.178 大腿骨近位部骨折の分類について

2015年12月06日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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大腿骨近位部骨折は、高齢者の四大骨折の一つと言われており、リハビリをする機会がとても多い疾患です。

大腿骨近位部骨折は、骨折の部位により3つに分類することができます。大腿骨近位部骨折は、解剖頚で骨折するものを大腿骨頚部骨折(図1)、転子間稜から小転子までの範囲で骨折するものを大腿骨転子部骨折(図2)、小転子以下で骨折するものを転子下骨折(図3)と言います。

骨折部位により手術方法が異なるので、運動療法を行う際は、レントゲン像より、骨折の程度や骨粗鬆症の程度を確認し、骨折部がズレないように注意が必要となります。

リハビリテーション科 服部 司


リハビリ通信 No.177 腰痛と股関節について

2015年12月03日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

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腰痛は多くの方が経験する症状の1つであり、腰およびその周辺での痛みを自覚し整形外科を受診する人も多いと思います。一言で「腰痛」といっても様々な疾患があり、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、椎間関節障害、筋筋膜性腰痛などなど、たくさんあります。これらの疾患の病態は様々であり腰痛を引き起こしている原因組織も様々ですが、この腰痛と「股関節」は密接な関係にあることが以前から注目されています。

股関節はその解剖学的位置関係から腰椎と隣接しており、互いに影響を受け合っている関係となります。つまり股関節は腰椎の「土台」であり、この股関節が安定しなければ腰椎への負荷が増大する、股関節で動きが出なければ腰椎に過剰な動きが要求されるということが予想されます。したがって股関節において良好な可動域を獲得することが重要であり、腰椎の安定性を獲得することと腰椎への負荷を減少させることが治療のポイントとなります。

当院の理学療法士は股関節・腰椎に関する詳細な評価を行い、治療を行っています。

リハビリテーション科 小野正博