リハビリ通信 No.211 応急処置(RICE処置)について

2016年08月17日(水) QAリハビリテーション科1新着情報

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捻挫や打撲、肉離れなどのケガをした際に、病院に受診するまでの間に、損傷部位を最小限に抑える応急処置のことをRICE処置といいます。

RICE処置とは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとってRICE処置と呼ばれています。

受傷後は必ず損傷部位に熱感・腫脹・発赤の炎症症状が出現します。その炎症症状を抑えるために・・・

Rest(安静):損傷部位を動かさないことや体重をかけないこと。

Ice(冷却):損傷部位を15~20分間氷で冷やすこと。冷やす際に火傷に注意すること。

Compression(圧迫):弾性包帯で損傷部位を軽く圧迫をすること。

Elevation(挙上):損傷部位を心臓より高く挙げること。

以上のことを受傷直後から病院へ受診するまでに適切に行うことで治癒を早めることができます。これはあくまで応急処置であり、治療ではないので処置後は必ず病院へ受診しましょう。

リハビリテーション科 服部 司


リハビリ通信 No.210 足関節捻挫について

2016年08月14日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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足関節は捻挫(ねんざ)の起こりやすい関節であり、捻挫した際、足関節の外側に位置する靱帯が損傷されることが多いです。靱帯に一時的にストレスが加わった程度であれば、その予後は良好ですが、加わった外力が大きい場合、靱帯損傷や靱帯付着部の剥離骨折などを併発します。

 

「ただの捻挫」と侮ってはいけません。

 

捻挫を受傷した方から「ただの捻挫だから、しばらくじっとしてたら治ると思ってた。」とよく聞きます。靱帯損傷がなければそれでいいのかもしれませんが、もし靱帯が損傷していたり、剥離骨折を伴っていた場合、「足関節の固定」と「患部の安静」が必要となります。

靱帯は、損傷を受けると4~5週間の修復期間が必要となります。その修復期間が完了するまではしっかりと固定をし、靱帯走行部の支持性を獲得するということが重要となってきますが、この「修復期間」に無理なストレスをかけると損傷靱帯の修復が阻害され、足関節の支持性が獲得できなくなってしまいます。そして、歩行時に「足首が痛い。」、「足首がグラグラするような気がする。」といった症状の出現に発展していまします。

足関節に限らずですが、捻挫を受傷した際には「しばらくしたら治る」ではなく、整形外科を受診し、適切な検査・治療を受けることをおすすめします。

リハビリテーション科 小野正博


リハビリ通信 No.209 健康長寿のための老化研究推進について

2016年07月31日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

リハビリ通信No.209の1リハビリ通信No.209の2

文部科学省は健康で長生きできる社会の実現に向け、老化の仕組みの解析や加齢に伴う病気の予防につながる老化研究を本格化させるため、2017年度の概算要求に数十億円を要求することで調整しているということです。

現在、日本は4人に1人が65歳以上という超高齢社会に直面しています。健康で加齢性疾患の予防が自立した日常生活につながり、さらに医療費・介護費の削減・抑制につながると考えられ1.老化のメカニズムの解明 2.老化のコントロール 3.加齢性疾患の予防・治療を柱として研究を本格的におこなう事が超高齢化社会を受容できる一歩になると考えられているそうです。

具体的な目標・課題として 1.老化のメカニズムの解明では老化に関する遺伝や老化を遅らせる物質を5年以内に見つけ、更に5年、合計10年で安全性・有効性を動物実験で検証する。3.加齢性疾患の予防・治療では、全身の筋力が低下するサルコペニア・糖尿病・難聴・ロコモティブシンドロームなどを併発する運動器疾患が治療・予防対象に挙げられます。また老化現象を数値化する測定技術、研究に役立てるモデル動物の開発も行う予定で、研究はその他にも厚生労働省、スポーツ庁、学会、製薬企業が共同で取り組む方針です。

リハビリテーション室長 見田忠幸


リハビリ通信 No.208 起立性低血圧症について

2016年07月29日(金) QAリハビリテーション科1新着情報

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起立性低血圧とは、立ち上がりや起き上がりの際に血圧が過度に低下し、めまいやふらつき、視野のかすみなどの症状が出現する病気のことを言います。

原因として様々な病気や投薬、加齢により血圧を調整する機能が低下します。立ち上がりや起き上がりをすると重力により下肢に血液が溜まります。その結果、心臓に戻る血液と心臓から送り出す血液が減少することで血圧が低下します。

起立性低血圧を最小限に抑えるためには、立ち上がりや起き上がりなどの体動時はなるべくゆっくりと行うこと、下肢の血液を貯留させにくくするために弾性ストッキングを使用するなどが挙げられます。

リハビリテーション科 服部 司


リハビリ通信 No.207 骨棘について

2016年07月24日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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変形性関節症の病態の1つとして「骨棘(こつきょく)」があります。荷重部の関節軟骨は、荷重による負荷によって変性していきます。その一方で、非荷重部軟骨は増殖し、やがて軟骨内で骨化機序が働いて骨化増大し、この骨棘が形成されます。このような作用により骨の棘(とげ)ができてしまい、骨の変形が生じます。

骨棘はもともとあるものではないため、「変形した結果のもの」、「関節可動域制限の因子」といったあまり良いイメージが無いですが、不安定な関節を安定させる要素である場合もあり、生体防御反応の一種であるとも考えられます。

図は腰椎のレントゲン画像ですが、たくさん骨棘が形成され、変形しています。骨棘の形、関節の不安定性などにもよりますが、腰椎の側屈を止めるように形成されているようにも見えます。つまり、関節の不安定性を止めるように骨棘を側方に形成しているようにも見ることができます。

当院では、理学療法を行う上でレントゲンをしっかりチェックし、骨棘の形成や関節の不安定性などを評価しますが、「骨棘ができていて関節(骨)が変形している」というだけではなく、それが「不安定性を止めようとして形成されたものなのか」などを考えながら治療を行っています。

リハビリテーション科 小野正博