身体内部に想定される重心を通る相互に直行する3つの面を身体の基本面といい、身体を上下に2分する面を基本水平面といいます。また基本水平面から外れた平行な面を水平面といいます。 水平面上の動きを見る場合は主に回旋となります。また両肩、両骨盤などを水平面で観察することにより身体の前後の位置関係を把握することができます。 リハビリテーション科 堤 豊 |
現在、当院で使用している腰椎牽引機器は股関節90°膝関節90°の状態で腰椎の牽引を行なっています。股関節90°膝関節90°牽引の場合、前弯が減少し脊柱が牽引方向に対して水平な状態で牽引するので無理な力が脊柱に働かずに筋のリラクセーション、筋を調整する作用が起きます。腰椎の前弯が減少し脊柱が牽引方向に対して水平な状態で牽引を行う事のメリットとして椎間関節が緩やかに開く作用があり、椎間孔の開大、椎間板後部の開大に作用します。これは狭窄症・ヘルニアに有効であると言えます。 従来からの牽引は前弯がわずかに残存し、脊柱が牽引方向に対して水平ではない状態で行うので脊柱を無理に伸張する力が加わり、同時に椎間関節に不適切な力が働く事になります。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |
パーキンソン病には様々な症状がありますが、特に「すくみ足」という歩行時の不安定性、転倒につながるような症状があります。このすくみ足とは、動作を開始する際、その動作が止まってしまう状態で有り、歩行時に1歩を出そうとしても脚が前へ出すことができなくなる症状です。 当院に通院しておられる方の中でもパーキンソン病により歩行困難な方がおられるため、転倒しないように歩行介助の方法を工夫するようにスタッフ間で情報を共有するようにしています。 すくみ足に対する対策として、歩行時にどこまで脚を前へ出すのか目印を作る、もしくは脚を出す際のかけ声などが有効であるという報告があるため、かけ声をかけながら歩行介助をしています。このようにして当院では歩行介助と転倒予防に努めています。 リハビリテーション科 小野正博 |
身体内部に想定される重心を通る相互に直行する3つの面を身体の基本面といい、そのうち左右に通り身体を前後に2分する面を基本前額面といいます。また基本前額面から外れた平行な面を前額面といいます。 前額面上の動きを見る場合、主に外転や内転ですが身体の左右を通る面の動きとなります。また両肩、両骨盤などの位置関係を前額面で観察することにより身体の左右差を把握することができます。 リハビリテーション科 堤 豊 |
高齢者の骨折は骨強度の低下による脆弱性の骨折が多く、それらに加え筋力低下、バランス低下が要因となり転倒して骨折に至ります。よく見られる骨折部位は大腿骨頚部骨折 上腕骨近位端骨折、橈骨遠位端骨折、椎体圧迫骨折です。高齢者の骨は硬く、骨折はガラスが割れる様にわずかな力を加え一部が破損すれば、ポキンと骨が破損し骨折します。 逆に小児は骨に弾力があり、骨膜が厚く柔らかい為、ポキンと折れることはなく竹を折る様に連続性を保ちながら骨折に至ります。小児骨折で多い骨折部位は前腕・肘関節周囲です。上肢だけで約半数以上が見られ、続いて鎖骨骨折、下腿骨折です。小児骨折の場合、高齢者よりも骨癒合が早く完治期間も短いと言われていますが、骨端線の骨折での成長障害、骨幹部での骨折による過成長障害により後遺症を誘発しない様に注意が必要です。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |