境野勝悟氏著「日本のこころの教育」を読みました。 境野勝悟氏が以前に花巻東高校で講演した内容だそうです。 「さようなら」の意味は?とドイツ人校長から国語教師であった境野勝悟氏に投げかけられた問いかけから、話は始まります。さらに「日本人って何?」という問いかけに著者が窮してしまったということから、いったい何だろう、どう説明できるというのだろうというように、こちらも一緒になって考え込んでしまいます。 境野勝悟氏は日の丸の意味、お母さん、お父さんの意味を解説して、「今日は」「さようなら」の意味を説き明かしていきます。 「君が代」についても解説しているのですが、ギネスブックに「世界最古の国歌は日本の「君が代」である。その歌詞は九世紀に始まる。」と書いてあるそうです。これも知りませんでした。本当にもっと早く知っておきたかったということばかりです。 境野勝悟氏は日本のこころというものは、「和」からうまれなくてはならない。弱肉強食の「競争」から生まれる心は、本来のわが国の精神ではない、と述べています。また、感謝して生きる人間が幸福な人間と述べています。心に刻みたい言葉だと思います。 |
皆様、新年あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 クリニックも来月で開院4周年を迎えます。多くの方々に支えられて、ここまでやってこられました。本当にありがとうございます。 ご来院頂いた患者さまには、ご満足頂いた方もおられれば何かご不満な点を感じられた方もおられることと思います。当方の不手際や至らぬ点、不行き届きの点など多々あったことと存じます。申し訳ございませんでした。 患者さまの中には診療内容によりまして1回の通院で完了する方もおられれば、長期間にわたって通院して頂く方もございます。どちらの方にもご満足頂けますように、これからも提供する医療サービスの質向上を図っていきたいと存じます。 「一期一会」、この言葉を心に刻みどの患者さまにも納得して頂けますように、医療理念の実現に向けて一歩ずつ前進していく所存にございます。 昨夜から荒れた天候になっております。皆様、くれぐれも体調管理にはお気を付け下さいませ。 平成27年1月1日 秋山整形外科クリニック 院長 |
12月27日から1月7日まで近鉄花園ラグビー場で第94回全国高等学校ラグビーフットボール大会が開催されています。本日はグラウンドドクターとして参加いたしました。今日の試合はノーシード校にとっては2回戦、シード校にとっては初戦となり、大会期間中試合数の最も多い日です。近鉄花園ラグビー場第1,第2グラウンド、東大阪市多目的球技広場の3つのグラウンドをフルに使って熱戦が行われました。 今日は第2グラウンド担当でした。西からの風が時折吹く比較的穏やかな天候で、いつもの東からの生駒山下ろしの冷たい強風とは違い、グラウンドに長時間座っていても凍えるほどではなかったです。シード校とノーシード校の対戦では一方的な試合結果になる場合が多いですが、ノーシード校同士の試合は拮抗する場面が多くより激しい熱戦になりがちです。しかしながら今日は第1グラウンドでAシード校が敗退する波乱もあったようです。 今日、第2グラウンドでちょっとしたハプニング?がありました。第3試合は私の担当ではなかったのでベンチで観戦していました。東福岡高校がとても強すぎてどんどん点数を重ねていくので、ついには100点に到達しました。役員の方によりますと、これまでこのグラウンドで100点を超えるスコアになることは滅多になかったということです。でも、この掲示板では100点の掲示は難しいということなんです。なぜかと言いますと、第2グラウンドの得点掲示板は第1グラウンドや第3グラウンド(東大阪市多目的球技広場)のように電光掲示板ではなく数字の札で表示するタイプで得点掲示板が数字の二桁分しかないのです。 さあ、どうなるのか?どうやって得点掲示板係のスタッフはこの難局を切り抜けるのか? しばらくの沈黙の後で、見事に手作り?の100点のスコアが掲示されました。 得点掲示板の中のスタッフも活躍しておりました! |
先日、名賀医師会臨床懇話会が開催されました。特別講演は「皮膚疾患とQuality of Life~乾癬を中心に~」で講師は三重大学大学院皮膚科学講座准教授山中恵一先生でした。今回、山中恵一先生は悪性黒色腫、アトピー性皮膚炎、乾癬などの話を中心にわれわれ他科(皮膚科以外)の医師に講義して下さいました。 「しみ」や「ほくろ」は誰にもあるものでしょうが、これが悪性かどうかと問われると専門家でないと自信を持って答えられないものだと思います。一般に「ほくろのがん」と言われる悪性黒色腫はその臨床像の特徴をABCD rule (ABCDE rule)と言うそうです。AはAsymmetry(非対称性)、BはBorderline irregularity(腫瘍辺縁の不整)、CはColor variegation(色の濃淡)、DはDiameter generally greater than 6mm(直径が6mm以上)、EはElevation(隆起)です。成る程、これは理解しやすいですね。悪性黒色腫は内臓転移しやすいことが知られており、山中恵一先生は決して「ほくろ」を削ったり針で突いたりしないように注意喚起しておられました。それだけで転移することもあるそうです。また一時的に「ほくろ」の色が薄くなって、白く脱けてくるから放置するということもよくないそうです。やはり心配となれば、皮膚科専門医を受診するべきでしょうね。 アトピー性皮膚炎に関して山中恵一先生は痒みの症状に注目され、アトピー性皮膚炎の方が「いつ皮膚をかくか」を24時間モニター装着にて計測したデータを紹介されました。これを掻爬行動計測と言うそうです。大変緻密な調査により薬剤の有用性などを検討しておられ、感心致しました。 乾癬は私もあまり知識がなかったのですが、赤く盛り上がった発疹にカサカサした鱗屑ができてははがれていく慢性の皮膚疾患です。乾癬の原因はまだ完全には分かっていないそうですが、免疫反応の異常により表皮の新陳代謝が異常に活発になり角質が増殖して症状が発生するそうです。乾癬の症状は皮膚表面が赤く盛り上がる紅斑、角質が乾燥して深けフケのように剥がれ落ちる白色の鱗屑、角質が異常に増殖して盛り上がり皮膚は硬く乾燥してカサカサの状態になること、痒み、掻くことで刺激し患部がさらに拡がるケブネル現象、患部を掻くと出血するアウスピッツ現象などが特徴的だそうです。関節症性乾癬といって関節症状を生じることもあるそうです。乾癬治療では皮膚症状を改善するだけではなく、QOL(生活の質)を高めることが大切だそうです。最近では関節リウマチでも使用される生物学的製剤が乾癬治療にも用いられるそうです。山中恵一先生が紹介された写真では、乾癬患者さまの皮膚状態が生物学的製剤投与により劇的に改善されていました。現在、乾癬治療に対する生物学的製剤使用の可能な施設は限定されているそうです。近年では関節リウマチと同様に乾癬の治療もどんどん進歩してきているようですね。 |
先日、伊賀フォーラムが開催されました。特別講演は「生物学的製剤を用いたリウマチ治療について」で講師は、「せと整形外科」院長瀬戸正史先生でした。 瀬戸正史先生は鈴鹿市で「せと整形外科」を開業しておられますが、三重大学医学部附属病院、鈴鹿回生病院ではリウマチ専門外来を担当してこられ整形外科の中でも関節リウマチに造詣が深い先生としてご高名です。瀬戸正史先生のご講演は以前にも何度か拝聴いたしましたが、とてもわかりやすく勉強になるところが多いです。 瀬戸正史先生によりますとリウマチに対する生物学的製剤は既存の治療に比べますとその効果の大きさ、効果発現の高さ、関節破壊を防ぐ効果、日常生活動作を改善する効果などに優れているということなどに加えて、高額医療となること、種々の副作用に留意する必要性があることなどの特徴があります。重篤な感染症、活動性結核、うっ血性心不全、脱髄疾患、悪性腫瘍などは生物学的製剤の投与禁忌であり、瀬戸正史先生によりますと日和見感染を防ぐためにも生物学的製剤投与にあたっては血液検査で白血球数4000μL以上、リンパ球1000μL以上、β-Dグルカン陰性であることが望ましいということでした。特に呼吸器疾患には注意する必要があり、細菌性肺炎、肺結核、非結核性抗酸菌症、ニューモシスチス肺炎、間質性肺炎、他の呼吸器合併症など様々な呼吸器疾患に注意する必要があります。このあたりはわれわれ整形外科医が苦手とする分野ですね。生物学的製剤投与にあたっては、結核の既感染が疑われる場合には抗結核薬の予防投与が推奨されています。 瀬戸正史先生は関節リウマチ患者の就労状況にも注目しておられます。瀬戸正史先生によりますと関節リウマチ患者の方が関節リウマチのために休職を余儀なくされている方が約60%おられる上に、日常生活に不便を感じておられる方にいたっては約85%にものぼるそうです。生物学的製剤は高額なために関節リウマチ患者さまに経済的負担が大きいことはもちろんのこと、医療経済にも少なからず影響を及ぼしそうです。しかしながら生物学的製剤の効果によって関節リウマチ患者の症状が改善され就労可能となることで労働生産性は改善され結果的には経済的にも好影響を及ぼすようです。これは大変興味ある視点ですね。私はこの視点では考えてみたことはありませんでした。この医学の進歩が、どんどん関節リウマチ患者さまに還元されるといいですね。 |