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先日、奈良市で奈良県立医科大学整形外科教室開講60周年記念祝賀会が開催され出席しました。 奈良医大整形外科は初代恩地裕教授から増原建二教授、玉井進教授、高倉義典教授、そして現在の田中康仁教授と引き継がれております。私が奈良医大整形外科に入局させて頂いたのは昭和63年で、増原建二教授が教授職を勤められた最後の年です。どの先生方も名実とも本当に立派な指導者ばかりで、私は恵まれた環境を与えて頂いたととても感謝いたしております。 記念式典に先立ちまして記念講演会が開催されました。講演は「名将・名選手に学ぶ勝利への思考法」で講師はスポーツジャーナリストの二宮清純氏でした。二宮清純氏はイチロー選手、高橋尚子選手、野村克也監督らとの交流やエピソードを紹介され、勝利への思考法として「準備力」を挙げておられました。イチロー選手のチャリティーテニス大会での「準備力」のエピソード、高橋尚子選手が五輪で投げたサングラスを拾った方のエピソード、そして親交の深い野村克也監督との数々のやりとりなど興味深い話ばかりで、あっという間の1時間でした。 記念式典は大変盛況で出席者の人数が多すぎて、会場の遠くの方ではどなたがおられるのかわかりにくい状況でした。ジャズ音楽の調べの中、久々にお会いする先生方と旧交を温めることができました。奈良県立医科大学整形外科教室の歴史を再確認できた、大変有意義な祝賀会でした。会の準備もさぞ大変であったことと思われます。担当者の方々、本当にご苦労さまでした。 |

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本日、第94回全国高等学校ラグビーフットボール大会奈良県大会準決勝が天理親里競技場で開催されグラウンドドクターとして参加しました。 今日はあいにくの天気で小雨のそぼ降る肌寒い中、選手の熱気は寒さを忘れさせるほどでした。 第1試合は御所実業高校と天理教校学園の試合でした。時折天理教校学園が鋭い攻撃で御所実業高校を脅かしましたが、地力の差もあり御所実業高校が62対5のスコアで天理教校学園を下しました。 第2試合は天理高校と奈良合同の試合でした。奈良合同とは部員数が足りなくて単独でチームを組めない学校が合同チームを組んで大会予選に参加するという制度です。奈良合同チームは畝傍高校、橿原高校、磯城野高校、高田高校、奈良育英高校で構成されています。これにはラグビー人口の減少により、多くの高校が15人制ラグビーの大会に出場するのが困難になってきたという事情などがあります。大阪府では合同チームはいくつもあり予選に参加していますが、奈良県では参加校自体が少ないので、合同チームは1つです。私は合同チームの現状をあまり把握していませんが、中には部員が1名や2名の学校も含まれています。日々の練習はどうしているのだろう、集まって練習するのも大変だな、そもそもモチベーションを高めることも難しそうだ、など様々な思いがよぎります。しかも相手チームは全国でも屈指の強豪、天理高校です。合同チームで1回戦を勝ち上がってきただけでも、たいしたものだと思いました。 いざ試合が始まると、さすが天理高校です。怒濤の攻撃で次々とトライを奪っていきます。しかしながら奈良合同チームも劣勢ながら、体を張った守備を見せ外連味のないプレイを見せてくれました。その闘志は試合終了のホイッスルが鳴るまで途切れなかったように思いました。どのチームにおいてもラグビーにかける情熱には変わりないと思いました。 結果は120対0のスコアで天理高校が勝利しました。 来週、橿原公苑陸上競技場でおこなわれる御所実業高校と天理高校の試合は、激戦必至です。両チームとも全国レベルで見ても、屈指の強豪校だと思います。 |

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昨日、伊賀サンピアにおきまして市民公開講座が開催されました。講演1は「上肢の痛み・痺れ」で講師は名張市立病院整形外科大井徹先生、講演2は「よくわかる下肢の痛みと痺れ」で講師は伊賀市立上野総合病院整形外科佐藤昌良先生、講演3は「ロコモ予防 筋トレ。きたえて、ほぐして、気持ちいい!」で講師は当クリニックの小野正博理学療法士でした。 講演1と講演2では大変わかりやすく大井徹先生と佐藤昌良先生が痛みと痺れを起こす疾患を解説してくださいました。皆様よく理解して頂いたようです。講演3では小野正博理学療法士が肩こりに照準を合わせて、当クリニックで行っております肩こり体操を紹介して、皆様に体験して頂きました。 秋晴れの気持ち良い好天の中、実りのある盛況な市民公開講座でした。
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恒例の市民公開講座が10月18日(土)にヒルホテルサンピア伊賀で開催されます。市民公開講座は骨と関節の日(10月8日)に因んで毎年10月に三重県の各地区で開催されます。今年のテーマはロコモティブシンドロームと上・下肢の痛みと痺れです。 当院からは理学療法士の小野正博が「ロコモ予防 筋トレ。きたえて、ほぐして、気持ちいい!」を発表します。皆様、是非ご来場くださいませ。 |

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先日、名賀医師会臨床懇話会が開催され講演は「子どものアレルギー性鼻炎診療のポイント」で講師は独立行政法人国立病院機構三重病院耳鼻咽喉科医長増田佐和子先生でした。 増田佐和子先生によりますと子どものアレルギー性鼻炎の特徴は、高い有症率、致死的ではないが多彩な症状を呈する、低い治癒率、小児期から学童期にかけて増加する、アレルギー性鼻炎の発症時期は低年齢化している、喘息とアレルギー性鼻炎との高い合併率などが挙げられるようです。 花粉症で子どもさんは、外で遊べない、集中できない、よく寝られないなどの症状で困っており、幼児の保護者はよりストレスを感じているようです。増田佐和子先生は患児のみならず保護者のストレスにも注目し、アンケート調査など丹念に集められたデータで、この疾患への対処の重要性を示して下さいました。 アレルギー性鼻炎はアデノイドや扁桃肥大に次ぐ、中等度以上のいびきの危険因子だそうです。小児の花粉症を治療すると睡眠の質は改善することや、花粉症と成績低下は関連するという報告もあるそうです。以上のことより、増田佐和子先生は子どものアレルギー性鼻炎が最近増加しており、不快な症状を呈し、保護者にもストレスとなり、喘息の危険因子でもあることなどに注意する必要があると指摘されました。 増田佐和子先生によりますと子どものアレルギー性鼻炎診断の難しさは、感染、アデノイドなどとの鑑別などによるそうです。ウイルスや細菌による感染性鼻副鼻腔炎との鑑別には的確な問診が重要であるようです。成人と小児でも花粉症症状の違いがあるようで、小児の場合には朝のくしゃみ、口を空いていないか、いびき、鼻すすり、鼻・目こすり、鼻血、皮膚がカサカサなどの特徴があるようです。副鼻腔炎では膿性鼻汁であるのに対して、アレルギー性鼻炎では水性鼻汁です。また耳鼻科特有の鼻腔と咽頭の所見、鼻汁細胞診、抗原特異的検査なども紹介されました。 アレルギー性鼻炎は治りにくいが死に至る病ではないので、増田佐和子先生によりますと治療目標は日常生活動作(ADL)の改善になります。抗原であるダニや花粉の除去が重要ですが、日々の生活でこれを徹底するのは大変なことです。花粉であれば4割が着衣から6割が換気から室内に流入しほとんど床に落ちて溜まるということから、増田佐和子先生はこれらのことを意識して流入を防ぎつつせめて床だけでも清掃をまめにするように勧めているそうです。 薬物療法は第2世代抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬が中心です。子どもの抗ヒスタミン薬投与のポイントは興奮、けいれんを誘発しやすいことや眠気の問題があるので脳内移行の少ない薬剤が望ましいということでした。鼻噴霧用ステロイド薬は効果が強くて早く、副作用が少ないという特徴があります。小児に点鼻薬を使うときの留意点として増田佐和子先生は、保護者の理解と協力を得られること、鼻がかめること、継続使用すること、鼻中隔よりではなく外側に投薬すること、嫌がったら無理はしないことなどを挙げられました。血管収縮薬は2歳以下には禁忌であるそうですが、市販の点鼻薬には入っていることが多いそうで注意を要しますね。増田佐和子先生は患児と保護者へのアンケート調査結果などから、子どものアレルギー性鼻炎に対する薬物療法には症状をしっかりと抑える効果があること、副作用に注意すること、十分なアドヒアランスが得られることが求められるようです。アドヒアランスとは患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを意味します。アレルギー性鼻炎の薬物療法をいつまで続けるのかも難しい問題かと思われます。増田佐和子先生によりますと、改善すればステップダウン、感染を合併すれば切り替える、きめ細やかに漫然と使用しないなどを注意点として挙げておられました。 増田佐和子先生はアレルゲン免疫療法についても紹介されました。これは治癒が期待できる唯一の治療であるようです。しかしながら効果が100%というわけではないこと、時に重篤な副作用があること、治療遵守と継続が必要であることなどの留意点を指摘しておられました。増田佐和子先生はアレルギー性鼻炎診療において予防的介入の困難さを指摘しておられました。 増田佐和子先生のきめ細やかで地道な臨床データの積み重ねと、耳鼻科臨床に対する真摯な姿勢に大変感心致しました。
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