本日、第8回奈良県野球肘検診に参加しました。私は昨年に続いての参加になります。本会は矢田コミュニティ会館で行われ、医師・臨床検査技師による肘の検査・超音波を用いた障害の早期発見、理学療法士による柔軟性のチェック、指導者への野球障害に関する説明、野球傷害相談、スポーツ栄養相談などが実施されました。対象者は少年・少女野球選手で小学生と中学生でした。 先日来の台風の影響で、試合が本日などに延期されたチームも数多くあったらしく、事前予約のうち約250人ものキャンセルがあったそうですが、それでも本日の参加者は460人であったとのことです。今日は午前中に少し空いていましたが午後には大変な賑わいでした。 今日の検診では上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎が460人中6人に認められたそうです。野球肘検診をすると、だいたい1%に見つかるそうなので、今回の場合も平均くらいかと言えそうです。 上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎は軽症なら保存治療が選択されますが、重症なら手術治療を要する場合が多いです。今回の検診では上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎を認めた選手たちは症状の全くない選手も多く、症状が出てから初めて病院を受診した場合には進行期になってしまっていることが多いようです。早期発見早期治療につながる野球肘検診は野球少年、野球少女にとって大変価値の高いものだと思いました。 |
先日、竹田恒泰氏の「日本人はなぜ日本のことを知らないのか」という講演会を聴きました。 竹田恒泰氏は旧皇族・竹田家の生まれで明治天皇の玄孫にあたるそうです。今回の記念講演は名張ロータリークラブ創立55周年記念事業で、同日午前には名張市夏見の「夏見廃寺跡」の昌福寺案内板寄贈記念式典も開催されたそうです。右派政治評論家として鳴らす竹田恒泰氏ですが、テレビ番組の「そこまで言って委員会NP」などで時々見かける(私はあまりテレビ番組自体を観ませんが…)舌鋒鋭い論戦さながらの講演を大変興味深く拝聴いたしました。そして1時間以上にわたる独演会、やはり引き込まれるものがありとても面白かったです。喋り口調は思ったよりソフトで、その内容から竹田恒泰氏の日本愛を強く感じました。 海外に留学した学生が口々に「日本のことを知らなさ過ぎて恥ずかしい。」と言うそうですが、確かにもし外国人に日本のことを尋ねられたら果たして自分が何を答えられるのだろうと思うとドッキリしました。何十年も前ですが小学校・中学校・高校で日本の歴史を学んだのに…、と情けなく思いました。私の記憶力の問題かもしれませんが…。 「目から鱗」の話も多く、日本の歴史をもっと知りたいと思いました。そしてまた機会があれば竹田恒泰氏の講演をもう一度聴いてみたいものだと思いました。 |
先日届いた、今季のFamilie*のお花は秋色の爽やかな雰囲気で、とっても素敵です。
それにしても、先日来の長雨の影響で、一気に秋が深まった感じですね。
明日から明後日にかけて台風21号の猛威が心配です。月曜日の朝が特に心配ですね。 |
本日、やまと花ごよみ2017第7回馬見フラワーフェスタ、奈良フードフェスティバル2017シェフェスタ in 馬見を見に馬見丘陵公園に行ってきました。フードフェスティバルも人気で好天も相まって、来場者で大賑わいでした。 恒例のダリア花じゅうたんをはじめ、馬見花苑ではサルビア、マリーゴールド、ペチュニアなど美しい花々が咲き誇っていました。ダリア園も圧巻です。 また恒例の大道芸パフォーマンスやジャズ音楽の演奏も行われていました。 秋の花は楽しめましたが、今日の暑さはまるで夏ですね。先週までの涼しさがウソのようです。歩き回って、いい汗をかけました。 |
先日、三重学術講演会が開催されました。特別講演は「外来診療に役立つ手外科疾患の診断と治療」で講師は鈴鹿回生病院整形外科副院長森田哲正先生でした。森田哲正先生は「ばね指」、「手根管症候群」、「デュピュイトラン拘縮」という外来でしばしば見かける3疾患に関して解説して下さいました。 「ばね指(腱鞘炎)」は指の屈筋腱の腱鞘炎で、しばしば見かける疾患です。腱鞘炎が進行すると引っかかりを生じばね減少が起こるとばね指と呼ばれます。使いすぎによる負荷のために起こるので固定などの局所の安静が推奨されることが多いのですが、森田哲正先生はむしろ少々痛みがあっても、腱は動かした方が良いと勧めておられました。森田哲正先生は保存治療の一つとしてトリアムシノロン腱鞘内注射を積極的に施行しているということでした。トリアムシノロン5mgに0.5%キシロカイン1mlを混ぜたものを注射しているということでしたが、糖尿病の方でも糖尿病の治療コントロールが良ければ施行しているということでした。トリアムシノロン腱鞘内注射の後は、痛くても20回自動他動運動をすることが大事であるということでした。注射は少なくとも3ヶ月間は間を開けるということで、手術治療は患者様が希望されれば行うということでした。森田哲正先生のデータによりますと、1回の注射のみで治癒したのは57.8%であったそうです。すなわち約42%に再発を認め、注射回数は平均3.2回、再注射までの期間は平均7.1ヶ月間であったそうです。保存治療から手術治療に至る理由としては、手術治療の方が確実であるからという理由が1番多く、次に注射自体の痛みであるそうです。「ばね指(腱鞘炎)」が難治性になる因子として、多数指罹患、糖尿病、手根管症候群の合併、罹病期間が長い、関節リウマチなどが挙げられるそうです。トリアムシノロン腱鞘内注射の注意点として腱鞘内になるべく入れる、皮下に漏らさないことを挙げられました。これはトリアムシノロンが皮下に漏れると白斑や脂肪萎縮の合併症をきたすことがあるからということでした。 「手根管症候群」は75歳以上の高齢者の手根管症候群が増加しているそうです。高齢者の手根管症候群の特徴として、重症例が多く術後も知覚や筋力の回復は不十分であるものの、自覚症状は改善するので手術治療も勧められるということでした。術前に母指対立不能では対立再建も同時に行うそうです。 「デュピュイトラン拘縮」は比較的まれな疾患と思っておりましたが、オランダやボスニアでは高齢者に非常に高率であり、日本でも高齢者には多いそうで、特に50歳代以降の男性に多く環指、小指に好発するそうです。手術治療の必要な場合は手掌腱膜切除術が選択されますが、神経・血管の損傷をしないように手外科専門医による治療を要します。この疾患のトピックスは手術治療に代わる酵素注射療法が開発されたことでしょうね。こちらも規定の講習を修了した手外科専門医のみが行うことができるということですが、手術治療なしで治療できるとは画期的です。森田哲正先生は酵素注射療法の症例について紹介してくださいました。デュピュイトラン拘縮は初期には手掌にしこりやくぼみを生じ、結節となり、更に指が曲がって伸びなくなるということです。平らなテーブルの上に手のひらを下にして置き、上から圧力をかけて手のひらをぴったりとつけられるかどうかを試して、テーブルと手のひらの間に隙間ができるかを確認する「テーブルトップテスト」により、隙間ができるようであれば治療が検討されます。手掌部の結節だけではなかなか患者様は受診されませんが、指が屈曲してくれば洗顔時に指先が目や鼻に当たったりするようになるので、指が屈曲してくればできるだけ早期に酵素注射療法などを考慮することが望ましいということでした。 森田哲正先生の講演はいつも明快でわかりやすく、とても参考になります。ありがとうございました。 |