今日は随分暖かかったですね。真冬から突然、春(初夏?)が訪れたような感じでした。 この陽気で桜の開花も例年より早まっているようですね。梅は今が見頃のようです。 月ヶ瀬梅渓では梅まつりを開催しているそうです。梅の花は咲き始めから2週間ほどかけてゆっくりと見頃を迎えていき、咲き始め、3分咲き、5分咲き、7分咲き、見頃と、それぞれの景色を楽しめるそうです。今日はすでに7分咲きということでした。 名張からも近いですし、また訪れたいですね! |
先日、平成29年度文部科学省補助事業「アレルギー講習会(学校における普及啓発講習会)」(三重県開催)が開催されました。行政説明として「学校におけるアレルギー疾患に対する取組」演者は文部科学省健康教育・食育課健康教育調査官松崎美枝先生、実践発表として「食物依存性運動誘発アナフィラキシー~食物アレルギーはだれにでも起こる」演者は四日市市立立山手中学校養護教諭萩美穂先生、講演は「食物アレルギー・アナフィラキシー対応の現状と課題」で演者は獨協医科大学医学部小児科学教室主任教授吉原重美先生でした。木曜日の午前診療が終了してから駆けつけましたので、遅れて参加で講演のみ拝聴いたしました。 行政説明では資料によりますと、なぜ、学校でのアレルギー疾患に対する取組が必要か?としてアレルギー症状は原因物質と接することにより生じるので環境の整備により症状を抑えることが可能であることと、アレルギー疾患の中には命に関わるものがあり適切な対応により救命が可能であるからということでした。環境整備ができていたら緊急時の対応が必要なくなるかと言えばそうではなく、予期できない事例もあり得ることから誰もがすぐに緊急時対応できることが重要であるということです。学校におけるアレルギーに対する取組のゴールとは全ての児童生徒などが安心して学校生活を送ることであるということで、アレルギー疾患の理解、関係者間での連携体制づくり、関係者間での情報共有、各種研修の実施、アレルギー症状を出さないための環境づくり、緊急時の速やかな対応などが重要であるということでした。 実践発表は資料によりますと食物アレルギー既往のない生徒の起こった食物依存性運動誘発アナフィラキシーに対する対応の反省を元に、全職員で心肺蘇生、AED、エピペン練習を実施し全職員が危機管理意識を持てるようになり、全ての子どもの息苦しさ、咳、腹痛などの体調不良を「食物アレルギーの症状かも?」という視点で全職員が見ることができるようになり、部活時の「息苦しさ」を訴えた子どもに対して部活動顧問が適切な対応ができるようになり、保護者につなげ、病院受診することができたということでした。 講演は「食物アレルギー・アナフィラキシー対応の現状と課題」で講師は獨協医科大学医学部小児科学教室主任教授吉原重美先生で、吉原重美先生によりますと学校で起こり得るアナフィラキシーの主なリスク因子は免疫機能に関連するリスク因子(IgE依存性)として食物、毒液(蜂、蟻など)、薬剤、ラテックスなどと、免疫機能に関連しないリスク因子(肥満細胞を直接的に活性化)として物理的因子(例:運動、低温、高温、日光)などに分類されるそうです。学校で問題になる食物アレルギーのタイプは即時型症状(じんましん、アナフィラキシーなど)と特殊型として食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群に分類されるそうです。食物アレルギーの症状は皮膚症状(かゆみ、むくみ、じんましん、皮膚が赤くなる)、粘膜症状として眼の症状(白目があかくなる・プヨプヨになる、かゆくなる、涙が止まらない、まぶたがはれる)、鼻の症状(くしゃみ、鼻汁、鼻がつまる)、口やのどの症状(口の中・くちびる・舌の変な感じ・はれる、のどのかゆみ・イガイガ感)、消化器症状として腹痛、気持ちが悪い、吐く、下痢、呼吸器の症状としてのどが締め付けられる感じ、声がかすれる、犬がほえるようなせき、せき込み、ぜーぜー、呼吸がしづらい、全身性症状としてアナフィラキシー(皮膚・粘膜・消化器・呼吸器の様々な症状が複数出現し、症状がどんどん進行してくる状態)、アナフィラキシーショック(ぐったり、意識がもうろうとしている、呼びかけにキチンと反応できない、顔色が悪い)などであるそうです。吉原重美先生によりますとアナフィラキシーショック出現までの平均時間は18.59分、74%が30分以内にショックを起こしているという報告があるそうです。米国の調査では食物アレルギーによる死亡を調査した報告で、食物によるアナフィラキシー反応で死亡した5~20歳の患者17例全例が治療を必要とする喘息患者であったいう結果であったそうで、喘息を合併する食物アレルギー患者は要注意であるということでした。アナフィラキシーが起こったときの緊急時の治療薬は抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬、ステロイド薬、エピペン®で、効いてくるまでの時間はエピペン®が他に比べて短く5分以内で即効性があるものの、持続時間は約20分と短いので効果が切れてしまう前に、必ず救急車で病院に搬送することが必要であるということでした。吉原重美先生によりますとアナフィラキシーに対する第1選択薬はアドレナリン自己注射薬で、日本ではエピペン®が販売されているそうです。2012年の給食アナフィラキシー死亡事故以来、全国的にエピペン®の処方数は増加傾向であるそうですが、アナフィラキシー時に適正使用できない症例が少なからず存在するということでした。日本小児アレルギー学会による一般向けエピペン®の適応は、エピペン®が処方されている患者でアナフィラキシーショックを疑う場合、下記の症状が一つでもあれば使用すべきであるということです。消化器の症状(繰り返し吐き続ける、持続する強い、がまんできないおなかの痛み)、呼吸器の症状(のどや胸が締め付けられる、声がかすれる、犬が吠えるような咳、持続する強い咳き込み、ゼーゼーする呼吸、息がしにくい)、全身の症状(唇や爪が青白い、脈を触れにくい・不規則、意識がもうろうとしている、ぐったりしている、尿や便を漏らす)などの症状です。 吉原重美先生によりますと、エピペン®使用に自信が持てない理由としてエピペン®の投与に対して何が不安なのか?という調査で、タイミングが分からない、手技に自信がない、注射薬だから、副作用が心配であることなどが挙げられたそうです。過去に学校で2回のアナフィラキシー歴があり、エピペン®を使用できず救急搬送されていたケースで、その後の事例検討会で第一発見者の教師が打つと決めたことで、3回目はエピペン®を使用できたそうです。 吉原重美先生によりますとアレルギーの症状は様々であり、症状はいつも同じとは限らない、発見時に症状が軽くても重症になることもあることなどから、第一発見者が経過を観察することの重要性を指摘されました。症状の強さを予測することは不可能なので、油断せず繰り返し観察することが大切であるということでした。また吉原重美先生は何か突発的な事態が起こったときに現場に居合わせた個人の行動を促し、的確な判断を導く活動の事前指示書である食物アレルギーの緊急時対応のためのアクションカードについて紹介してくださいました。 医療従事者でない方が注射薬などを使用することは、やはり戸惑いとためらいを感じてしまうものと思われます。全ての児童生徒などが安心して学校生活を送るために、ますます地道な啓蒙活動が必要であると思われました。 |
先日、予防接種講習会が名賀医師会で開催されました。講演は「予防接種の最近の話題」で講師は国立病院機構三重病院副院長小児科菅秀先生でした。今回も昨年に続きまして菅秀先生が予防接種の最近の話題についてわかりやすく解説して下さいました。ちなみに当院ではインフルエンザワクチン接種と肺炎球菌ワクチン接種のみ施行しております。 菅秀先生は今シーズンのインフルエンザワクチン、百日咳ワクチン、水痘ワクチンについて講義して下さいました。百日咳ワクチンと水痘ワクチンは共に日本で開発されたワクチンで、海外でも高く評価されているそうです。 今シーズンのインフルエンザワクチンのワクチン効果がカナダから報告されたそうです。2017年11月5日から2018年1月20日までのデータだそうですが、A型、B型ともにあまり高くない効果率でした。日本とカナダでは流行したインフルエンザA型は異なる型であったそうですが、少し残念な結果であったようです。 百日咳は百日咳菌の感染による急性呼吸器感染症で、けいれん性の咳発作(痙咳発作)が特徴であるそうです。菅秀先生によりますと世界の患者数は2000~4000万人/年で死亡者数は20~40万人ということでした。日本における百日咳ワクチンの歴史は1950年に全菌体型百日咳ワクチンの定期接種が導入されたことにより、患者数および死亡者数は激減したそうです。しかしながら副作用の問題が起こり、死亡例も報告されたということで、ワクチン接種は一時中止となり再開後も摂取率は10%以下に低迷したそうです。ワクチン接種率の低下により、再度患者数、死者数が約50倍以上に増加してしまったそうです。そこで、より副作用の少ない無細胞ワクチンが開発されました。無細胞百日咳ワクチンの接種により再度患者数および死亡者数は減少したそうです。菅秀先生によりますと、世界的に見ますと日本、アメリカ、ヨーロッパ各国で百日咳は思春期・成人の間で流行しているそうです。成人から小児に感染することが多いそうです。イギリスでの調査では5~16歳時の慢性咳の原因の37%は百日咳であったそうです。ワクチン接種率が低下すると小児にも流行するという報告が各国でなされているそうです。菅秀先生によりますと日本初の無細胞百日咳ワクチンは安全で有効なワクチンとして世界で接種されているそうです。しかしながら免疫持続期間が数年と短いことにより、思春期から成人患者の増加が認められ、乳児の感染源となっているそうです。海外ではワクチンの追加接種、妊婦への接種が奨められており、効果が認められているそうです。菅秀先生によりますと日本でも百日咳ワクチンの接種時期、接種対象について早急に検討を進める必要があるということでした。 水痘(みずぼうそう)は水痘帯状疱疹ウイルスにより空気感染を起こす疾患で、潜伏期間が10~21日、発熱、全身倦怠感、発疹などの症状で、発疹は頭皮、体幹、四肢に出現するそうです。合併症は細菌の二次感染、肺炎、脳炎などで、妊婦が罹患すると重症化しやすく胎児の先天性水痘症候群の危険性があるということです。水痘帯状疱疹ウイルスは治癒後知覚神経の神経節に潜在し、将来帯状疱疹を発症することがあるそうです。治療薬はカチリ外用とアシクロビルだそうです。予防薬は水痘ワクチンということでした。帯状疱疹の発症メカニズムは水痘帯状疱疹ウイルスの感染によって水痘を発症し、その後にみずぼうそうが治っても体の神経節に水痘帯状疱疹ウイルスが隠れており、将来に加齢、ストレス、疲労などにより水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫力が低下すると潜伏していたウイルスが再活性化し帯状疱疹発症となるそうです。菅秀先生によりますと水痘ワクチンも日本発であり、安全で有効なワクチンとして世界で接種されているそうです。ワクチン接種後水痘の増加、未接種年長児の水痘の増加に注意が必要であるということでした。帯状疱疹予防薬ワクチンとしても、水痘ワクチンは有効であるそうです。菅秀先生によりますと、日本でも帯状疱疹ワクチン接種に関して、接種年齢、接種適応者などの議論を進める必要があるということでした。 菅秀先生はワクチン接種をなぜするのか?と言うと、法律や制度で決められているからするのではなく、子どもたちから大人まで感染症から守るために行うのであると述べられました。このコンセンサスが一般の方々にも広く浸透していくことを期待しています。 |
本日、久々にICLSに参加させていただきました。十数年ぶりの参加なので受講者として教わるくらいで丁度なのですが、一度参加したことがあるということでタスクとして見学させていただきました。インストラクターの方々が受講者を指導するところを、よく見させていただきました。 最初は戸惑っておられた受講者の方々も、最後には自信を持ってチームワークを発揮しておられ、さすがだと思いました。 大変勉強になりました。 |
先日開催された第31回奈良県スポーツ医・科学研究会 奈良トレーニングセミナー2018の特別講演Ⅱは「なんのために勝つのか?ラグビーワールドカップの経験を経て~医療におけるチームプレー~」で演者はラグビーワールドカップ2019アンバサダー、元日本代表主将廣瀬俊朗先生でした。廣瀬俊朗先生はラグビーワールドカップ2015イングランド大会で活躍した日本代表チームのヘッドコーチであったエディー・ジョーンズ氏の下、初めの2年間日本代表チーム主将を務められ、その後は日本代表チームの一員としてスタメン出場の機会は減少したものの、主力メンバーのサポートなどを続けて、ラグビーワールドカップ2015イングランド大会でもチームを支え続けて南アフリカ戦の歴史的勝利などに大きな貢献をした選手で、日本代表チームが大活躍した立役者の一人です。 廣瀬俊朗先生はラグビーワールドカップ2015イングランド大会で歴史的勝利を収めた日本代表と南アフリカ代表との試合に触れ、体格で劣る日本選手は諸外国チームに経験とスピードでは勝てない、スマート、タフ、メンタルの充実で勝つ、”First to Act”というスローガンでワールドカップを戦ったということでした。日本代表チームはラストワンプレーで劇的な逆転勝利を成し遂げたのですが、廣瀬俊朗先生は「なぜ勝てたか?」と問い、その答えは「準備」であるということでした。 日本代表チームのヘッドコーチを務めた名将の誉れ高いエディー・ジョーンズ氏ですが、ヘッドコーチとしてのワールドカップでの実績は2003年にオーストラリア代表ヘッドコーチの時に決勝で敗れた1試合と日本代表チームが2015年にスコットランド代表に敗れた1試合しか敗北しておらず、驚異的な勝率を誇っているそうです。広瀬俊朗先生から見るエディー・ジョーンズ氏の特徴は圧倒的な実績、大義がありぶれない、一番のハードワーカー、勉強家、オリジナルのスタイルを追求する、観察力、嫌われてもいい覚悟、不器用などの特徴が見受けられるそうです。エディー・ジョーンズ氏が掲げた日本独自のスタイル”Japan Way”とは廣瀬俊朗先生によりますと、①規律を守る、②個人よりチームで戦う、③従順である、④侍アイ、⑤忍者ボディ、⑥世界一のフィットネス、⑦連動したアタック、などであるそうです。 廣瀬俊朗先生は日本代表チームキャプテンになったとき、皆に日本代表に選ばれることにもっと喜びを持ってもらいたいと思ったそうです。そこでチームを好きになってもらうために個人としてやってきたこと、チームとしてやってきたことなどをつまびらかにして下さいました。 廣瀬俊朗先生は「守破離」という言葉を紹介してくださいました。「守破離」とは日本での茶道、武道、芸術、スポーツなどにおける師弟関係のあり方の一つで、修行の理想的なプロセスを3段階で示したものであるそうです。「守」は教えや型を忠実に守り身につける段階、「破」は自分なりのやり方を模索する段階、「離」は新しいものを生み出す段階であるそうです。ラグビーワールドカップ2015イングランド大会での日本代表チームと南アフリカ代表との試合で、3点ビハインド後半残り時間わずかのところで得たペナルティーキックをエディー・ジョーンズヘッドコーチはペナルティーゴールを狙うことをインカムで指示したそうです。しかしながら選手たちはその指示に従わずトライを狙って攻め続けて逆転トライをもぎ取り、劇的な逆転勝利を収めました。選手たちがヘッドコーチの指示に従わなかったことに、エディー・ジョーンズヘッドコーチは激怒していたそうです。廣瀬俊朗先生によりますと、まさにこの時が日本代表チームにとって「離」という段階に至ったということでした。 講演中に、ラグビーワールドカップ2015イングランド大会での日本代表チームと南アフリカ代表との試合前に両チーム選手がピッチ上に整列している写真を見せて下さいました。その写真は廣瀬俊朗先生自身がスタンドから撮った写真であるそうです。ピッチ上に立つことを目標に努力を続けてきた廣瀬俊朗先生にとって、大変悔しい胸の内であったのではと推察されました。しかしながら廣瀬俊朗先生は、その時の心境をこう話します。「それまでで最も澄み切った心境でした。」その理由は「大義」によるものであったそうです。廣瀬俊朗先生によると「大義」とは「日本のラグビーファンを幸せにできる喜び」と「日本ラグビーの新しい歴史を築いていく楽しさ」そして「憧れの存在になること」であったそうです。その日本代表の「大義」のために廣瀬俊朗先生は代表チームキャプテンからメンバーのサポートへと役割が変わってもぶれることがなかったようです。澄み切った心境は廣瀬俊朗先生の「全てをやりきった感」を反映していたのでしょう。 講演後の質疑応答では広瀬俊朗先生は大学生たちからの質問に一つ一つ丁寧で親切にわかりやすく答えておられ、その真摯な姿勢に感心いたしました。講演を拝聴して、廣瀬俊朗先生の強い日本代表チーム愛を感じました。そしてラグビーワールドカップ2015イングランド大会において、日本代表チームに最も必要な一員として廣瀬俊朗選手が日本代表チームに留まられたことが日本代表チームの好結果に繋がったことは間違いないと思われました。一日本代表チームファンとして、廣瀬俊朗先生に対する感謝の念に堪えません。 |