先日、名賀医師会臨床懇話会が開催されました。特別講演は「痛風・高尿酸血症診療の最適化」~高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版と新たな治療選択~で、講師は三重膠原病リウマチ痛風クリニック内科院長甲斐基一先生でした。Webで参加いたしました。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版に沿って、高尿酸血症・痛風の治療アルゴリズムを示してくださいました。高尿酸血症の病型分類は従来、尿酸生成過剰型、尿酸排泄低下型、混合型に分類されていましたが、尿酸生成過剰型を真の尿酸生成過剰型と腎外排泄低下型に分ける新しい分類にすると、日本人の約8割が腎外排泄低下型であるということです。治療薬選択では、尿酸排泄低下型には尿酸排泄促進薬、尿酸生成過剰型には尿酸生成抑制薬を選択することが望ましいということです。医療法人財団順和会山王メディカルセンター院長山中寿先生による、尿中尿酸濃度、尿中クレアチニン濃度の比を用いた、簡便な病型分類法を紹介してくださいました。甲斐基一先生によりますと、病型分類を用いた治療を行うと尿酸コントロールに有用であるということです。
甲斐基一先生は痛風発作時に有効なエコー所見である、母趾MTP関節のDouble contour signなどを示してくださいました。
甲斐基一先生によりますと、痛風は痛風発作だけではなく、種々の合併症(尿路結石、脂肪肝、動脈硬化、腎障害、腎不全、心血管・脳血管イベント)などに注意する必要がある、ということでした。
痛風・高尿酸血症診療について丁寧にわかりやすく解説してくださり、とても勉強になりました。本当にありがとうございました。