第3回 生命を見つめるフォト&エッセー 入賞作品集を読みました。このコンテストは日本医師会と読売新聞社が主催するコンテストで、フォト部門は生命の尊さ、大切さを感じさせる写真、エッセー部門は医療や介護に関するエピソード、お世話になった医師や看護師ら宛てに送ったという想定の「感謝の手紙」などを募集しているそうです。 厚生労働大臣賞作品は「自然のなかのいのち」で高知県の68歳女性の方の作品ですが、特に印象に残りました。住み慣れた自宅で最期まで過ごしたいと強く希望したご両親を16年間在宅で介護して看取ったという話しでした。筆者はご家族、訪問看護師さん、在宅医療を引き受けてくれた医師と協力し合って、ご両親が自然に旅立たれた様子を表現しておられます。医師は「みんなで看られてよかったと思えるような、いい仕舞いに」とよくおっしゃったそうです。医師が死因に「自然死」と書かれたことに、筆者はとても納得しておられるようです。「死は、人間の最期の営み。そこに至る日々は、本人も家族もさまざまな選択肢のなかで、迷い、悩み、葛藤し、決断する。マニュアルは無い。」と筆者は書いておられます。本当にその通りだと思いました。 |