Sport Japan vol.40の第1特集は“ためらわず指導する、「ハラスメント」の正しい理解です。 報道ではオリンピック選手や日本代表選手などトップクラスでも今なお「ハラスメント」が見られるようです。暴力行為、パワハラ、セクハラなどはもってのほかですが、「相手が嫌なこと」の定義で指導に躊躇するケースが散見されるということで、弁護士の白井久明先生はハラスメントの指標、それは、“そこにリスペクトはあるか?”であると述べておられます。 筑波大学の松崎一葉先生は、「叱咤激励」と「暴言」の線引きに、そこに「共感性」があるかを振り返ってみて下さい、と述べておられます。 元全日本バレーボーラーの大山加奈さんがバレーボールを始めた約25年前は“たとえ理不尽な指導でもそれにたえられないようなら社会で役立たない”そんな社会の考え方が変わり始めた時期であったそうです。過渡期の中で大山加奈さんは昔ながらのスパルタ式指導、反対にプレーヤーズファーストの導き、そのいずれも経験してきたそうです。そうした数々の指導を受けてきて大山加奈さんは指導者として「大事にしているのは、バレーボールを楽しいと思ってもらうこと。そして、教えすぎず、プレーヤーに考えさせ、気づかせること。自ら考え、行動して成功したときは本当に大きな喜びになり、それが続ける原動力にもなる。どうか、バレーボールをいつまでも好きでいてほしい」と述べておられます。「果たして、プレーヤーと正面から向き合えているのか、それを再確認することが必要ではないでしょうか。」とも述べておられます。大山加奈さんの経験と経歴から説得力のある言葉ですね。 |