元ラグビー日本代表主将廣瀬俊朗氏著の「なんのために勝つのか。ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論」を読みました。先日、第31回奈良県スポーツ医・科学研究会 奈良トレーニングセミナー2018で講演をして下さった廣瀬俊朗先生です。 本書の内容はご講演でも紹介してくださいましたが、実際に本書を読んでみますと廣瀬俊朗氏の歩んでこられた道のりがより詳細に分かります。吹田ラグビースクール、地元の公立中学、北野高校、高校日本代表チーム、慶応大学、東芝、日本代表チームと所属したチームのほぼ全てで主将を務められたということは、それだけ廣瀬俊朗氏が実力と才能があるうえに、周囲からも認められる存在であったのだと思われます。廣瀬俊朗氏が類い希なキャプテンシーの持ち主であることは間違いないと思いました。それでも先輩である何人かの主将を務められた選手を色々と参考にするなど大変研究熱心で、またチームを強くするためにメンバーのことを考えて微に入り細に入り心を砕いて努力を怠らないところなど、スポーツチームの主将という枠に留まらず、どのような組織においても参考になるリーダーシップのあり方を示しておられると思いました。 廣瀬俊朗氏は「大義、覚悟、ビジョン、ハードワーク この四つがチームづくりの土台となる。」と述べられました。そして「なんのために勝つのか。」の答えは大義を実現するためであると述べられました。ラグビー日本代表では「日本のラグビーファンを幸せにできる喜び」「新しい歴史を築いていく楽しさ」「憧れの存在になること」を大義に掲げていたということです。ワールドカップという大舞台で勝つことで、その大義を成し遂げることができたということです。そしてこれらは2019年ワールドカップ日本大会、さらにその先に続く日本ラグビーの未来をよりよいものへとしていくことにつながっているということです。 この大義の実現のために、自らの悔しさを封印して日本代表チームへの最大の献身を貫いた廣瀬俊朗氏は真のリーダーシップの持ち主であると思いました。 |