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「CKD診療のこれから。~名張での病診連携のありかた~」

2018年01月14日(日) 院長ブログ

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先日、名賀医師会臨床懇話会が開催されました。特別講演は「CKD診療のこれから。~名張での病診連携のありかた~」で講師は鈴鹿回生病院腎臓センター長の村信介先生でした。の村信介先生は第1,3,5週の水曜日に名張市立病院でも診療を行っておられます。の村信介先生は腎臓内科で非常にご高名な先生で、名賀医師会では約5年ぶりに、ご講演を拝聴いたしました。

CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%以下に低下する(GFRが60mℓ/分/1.73㎡未満)か、あるいは蛋白尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を言います。 年をとると腎機能は低下していきますから、高齢者になるほどCKDが多くなります。

CKDでは腎機能がある程度まで低下してしまうと腎臓はもとに戻ることはないために、早期発見・早期治療により腎臓の機能をこれ以上低下させないことが重要ですので、の村信介先生は治療が必要な患者様の選別と早期の介入が必要であると説かれます。そのためにの村信介先生は①推算eGFRを用いた腎機能の正しい評価、②ハイリスク群の選別、③早期介入、④重点的治療が重要であるということでした。③、④には病診連携が重要であるということです。一般内科から腎臓内科へ患者紹介される理由は①クレアチニン上昇、②検尿異常、③ESA(赤血球造血刺激因子製剤)の適応、④カリウム上昇などであるそうです。の村信介先生はさらに①血圧が下がらない。②尿蛋白が増えてきた、③ESAが効きにくくなった、④もっと痩せさせたい、⑤もっと食養生させたい、⑥医療費を下げさせたい、など実に多岐にわたる内容での紹介を待っているということでした。腎臓の働きが低下する原因は加齢、糖尿病、高血圧症、高脂血症、高尿酸血症、喫煙、肥満、貧血など生活習慣病、メタボリックシンドロームが原因となることが多いようです。各種疾患の治療による患者満足度と薬剤の貢献度の調査によりますと、CKD治療の患者満足度と薬剤貢献度は他疾患に比べて低いそうです。CKDになってしまえば、なかなか治療も奏効しないようです。そのことも踏まえての村信介先生はCKDになることを防ぐために、高血圧症の治療でもより厳格なコントロールが必要であると説かれます。血圧を下げるために減塩、禁煙、体重や血糖のコントロール、思い切った降圧剤が必要であるということでした。尿蛋白はの村信介先生によりますと腎糸球体炎症の程度を反映しているだけではなく、腎糸球体内高血圧、つまり腎糸球体負荷の上昇を反映しているということでした。尿蛋白の軽重を知ることが重要で、の村信介先生は尿検査では尿蛋白定量検査をすることを勧めておられました。

CKDでは貧血が発症するので、薬物療法としてESA(赤血球造血刺激因子製剤)は重要であるということでした。ある種の高脂血症治療薬がクレアチニン上昇に繋がるので注意を要するということでした。運動はCKD発症に影響を与えるか明らかではないが、適度な運動はすべきであるということでした。喫煙本数が20本/日であればCKD発症、進行因子であるそうです。骨粗鬆症などでビタミンDを服用されている方が感冒などにより脱水症状になるとカルシウム排泄低下により高カルシウム血症になる危険性があるということでした。高カルシウム血症になると意識障害、意識低下、食欲不振ないどを招くために、風邪などひいて脱水状態にある方は、風邪をひいたら1週間くらい休薬する方がよいということでした。整形外科には多くの骨粗鬆症患者様が来られ、当クリニックでも随分多くの方にビタミンDを服用していただいていますが、高齢者が多いですので腎機能にも気を配る必要性と重要性を再認識いたしました。CKDにおける尿酸管理では「6,7,8の原則」というのがあるそうで、治療目標が6、そして7mg/dl以上を高尿酸血症、8mg/dl以上となると治療開始の目安となるようです。以上のように様々なケースでの注意点を教えていただきまして、大変勉強になりました。

ちなみにの村信介先生のお名前の、「の」の漢字は田又の下に土と書くかなり珍しい漢字で、このホームページのワープロソフトでは表記されませんので、仕方なく平仮名の「の」で代用させていただいております。の村信介先生によりますと、文豪「国木田独歩」の代表作である「武蔵野」は原本では「の」の漢字がの村信介先生の漢字の「の」と同じ漢字であるそうです。講演中にはその原本の写真も見せて頂きました。由緒正しい歴史ある漢字ですね!


 
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