先日、名賀医師会主催の平成27年度小児救急医療研修会が開催されました。講演は「小児の急性腹症」で講師は名張市立病院小児科藤井善充先生でした。藤井善充先生はもともと小児外科をされており、小児科にかわられたという経歴をお持ちだそうです。 藤井善充先生によりますと腹部疾患は小児科医のブラックボックスであり急性腹症は外科疾患の可能性大であるということです。また外科疾患か否かを診断するのは小児科医であるということから、藤井善充先生は見逃すと危険である7大疾患と小児急性腹症診断のポイントを講義して下さいました。小児の急性腹症が小児科医にとってブラックボックスであるなら、他科の医師にとってはどうなるのでしょう?本当に恐ろしい気持ちになります。緊張感を持って講義を聴かせて頂きました。 藤井善充先生が紹介して下さいました7大疾患は腸重積、潰瘍性大腸炎、鼡径ヘルニア嵌頓、小腸閉鎖、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腸回転異常、急性虫垂炎でした。さすがに小腸閉鎖に出くわすことはありえないでしょうが、応急診で勤務していても今のところどの疾患にも遭遇してなさそうです。藤井善充先生によりますと腸重積は小児200人に1人発症、潰瘍性大腸炎は好発年齢1000人に1人、鼡径ヘルニアは小児50人に1人、小腸閉鎖は5000人に1人、腸回転異常は1万人出生に1人、急性虫垂炎は小児約100人に1人の発症だそうです。単純に確率から行っても遭遇する可能性のある疾患もありそうですね。 名張市立病院では平成26年1月20日から小児救急医療センターを設置しており、24時間365日小児二次救急医療を行ってくれています。本当に心強く、有り難いことです。 |