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咳嗽(がいそう)

2015年01月27日(火) 院長ブログ

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先日、名賀医師会臨床懇話会が開催されました。講演は「咳嗽診療の極意」で講師は三重中央医療センター呼吸器内科藤本源先生でした。

咳嗽とは一般に咳のことです。整形外科の私が咳嗽の治療をすることは滅多になく知識もあまりありませんので、せっかく咳嗽診療の極意を教えて頂いてもほんの少ししか理解できませんでしたが、わかった範囲で紹介したいと思います。

咳嗽とは気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に強制的に排除するための生体防御反応であるそうです。咳嗽反射が低下しますと不顕性誤嚥を起こし誤嚥性肺炎に至るリスクが増加します。近年死亡率で原因として脳血管障害が減少しているそうですが、肺炎は増加しているそうです。これは脳血管障害を起こしても初期治療で救命される割合が増加したものの、日常生活動作が低下した方は後になって誤嚥性肺炎を起こしてしまうという理由があるのだそうです。したがって咳嗽反射が低下することは命に関わる危険性が増悪することになり、生体防御的に必要不可欠なものです。しかしながら過剰な咳嗽反射やその持続は身体症状としてつらく、日常生活の質を低下させることとなり適切な対処が必要となります。

咳嗽が起こって3週間未満を急性、3週間から8週間を遷延性、8週間以上持続する場合を慢性と区分するそうです。急性期ほど感染が原因である可能性が高く、慢性期ほど感染以外の原因である可能性が高くなるそうです。また喀痰の有無によっても分類され、喀痰を伴わない咳嗽を乾性咳嗽、喀痰を伴う咳嗽を湿性咳嗽と分類するそうです。

咳嗽はほぼ全ての呼吸器疾患が原因となりうるそうです。藤本源先生によりますと1~2週間以上咳が持続する場合には胸部レントゲン撮影2方向を実施し、病歴では発熱、呼吸困難、血痰、胸痛、体重減少などに注意する必要があるということでした。またSpO2、血液検査(血算、CRP)、場合によって胸部CTなどを施行するということでした。

遷延性、慢性咳嗽の治療前診断には特徴的な病歴が参考になるそうです。咳喘息では夜間から早朝に悪化する咳嗽、また季節性や変動性があることなど、アトピー咳嗽では咽頭喉頭部のイガイガ感を伴う乾性咳嗽、胃食道逆流症では胸焼け、呑酸など食道症状、慢性気管支炎では喫煙歴などだそうです。また診断的治療で使用する薬剤として、咳喘息では気管支拡張薬、アトピー咳嗽では抗ヒスタミン薬、副鼻腔気管支症候群ではマクロライド、胃食道逆流症ではプロトンポンプ・インヒビターなどが用いられるそうです。

感染性咳嗽の特徴として先行する感冒症状、自然軽快傾向、周囲の同様の症状、経過中に膿性度の変化する痰が見られるなどの特徴があるそうです。マイコプラズマ感染症では、初期には乾性咳嗽で夜間不眠になるほどしつこい咳嗽が起こり3~4週間で湿性咳嗽になり8週間以上は続かないなどの特徴があるそうです。百日咳は2006年以降増加しているそうで、14日以上続く咳嗽、発作性の咳き込み、吸気性笛音が特徴的だそうです。感染後咳嗽の原因としてはウイルス、マイコプラズマ、クラミジア、百日咳の順に多いそうです。咳喘息の場合は喘鳴(呼吸するときに聞こえるゼーゼー・ヒーヒーという音)を伴わない咳嗽が3週間以上持続し、夜間から早朝にかけて悪化し季節性も認めるそうです。アトピー咳嗽の場合には喘鳴や呼吸困難を伴わない乾性咳嗽が3週間以上持続し、気管支拡張薬が無効で抗ヒスタミン薬、ステロイドが有効だそうです。その他にも副鼻腔気管支症候群、後鼻漏、気道異物、胃食道逆流症、薬剤性咳嗽などについても藤本源先生は解説してくださいました。

咳嗽診療では初診時に治療前診断をつけ、診断的治療を行い、その反応性をみて治療後診断(確定診断)を得るというプロセスが必要であるそうです。藤本源先生は咳嗽診療において、まず詳細な病歴聴取を重要視され、必要に応じてレントゲン検査、CT検査、肺機能検査などを駆使して肺がん、肺結核、肺炎、喘息など重大な疾患に留意する必要性を強調しておられました。

私の理解できた部分は少なかったですが、大変参考になりました。


 
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