本日、近鉄花園ラグビー場で第94回全国高等学校ラグビーフットボール大会準々決勝が行われ、グラウンドドクターとして参加しました。 今日はベストエイトの対決で、強豪校ばかりで激戦必至です。第1試合ではAシード校同士の対戦でしたが、東福岡高校が圧倒的な強さを見せて快勝しました。あとの3試合は全て接戦でした。第3試合では今大会注目の奈良県立御所実業高校WTB竹山選手の4トライの活躍もあって、接戦を制していました。私は竹山選手のラグビースクール時代に少し彼のプレーを見たことがありますが、当時から小学生でこんなに技術のある選手がいるものだと感心しました。今やスピードとパワーも兼ね備えて、スピードスターになっています。しかしながら御所実業高校においては全員が献身的にチームプレーに徹しているところに感心致しました。 今日の試合でも脳振盪(あるいは脳震盪疑い)を起こす選手が見受けられました。脳振盪に関しては、よりひどい外傷や死亡に至ることもあり得るということで、その取り扱いは近年大変厳格になってきています。ワールドラグビー(国際ラグビーボード)では脳振盪(あるいは脳震盪疑い)の場合にプレーヤーが19歳未満の場合最短でも3週間は競技復帰試合出場を禁じています。 かつてはラグビーにおいて脳震盪は軽く受け止められていて、脳振盪を起こすことは当たり前??という風潮がありました。確かに程度が軽ければ、すぐに回復する場合も多いのは事実です。脳振盪を起こしながらも競技に復帰することが美談になることも多かったように思います。先日の男子フィギュアスケートの羽生選手が受傷した件も、ひょっとしたら関連するのかもしれません。 ワールドラグビー(国際ラグビーボード)の提言は「プレーヤーを最優先」です。脳振盪(あるいは脳震盪疑い)を起こしてしまった選手は後の試合には出られないので、選手本人、チームともさぞ残念に思っていることでしょう。しかしながら将来ある選手のことです。選手の安全が第一という観点から考えると、優先順位は明らかだと思います。ひいては重症事故の減少が、ラグビーという競技の発展にも繋がると考えられます。 |