救急医療週間の講演会で特別講演は「そのもの忘れは年のせい?認知症の基本を学ぼう」で講師は三重大学神経病態内科学、認知症医療学講座教授、認知症疾患医療センター長冨本秀和先生でした。 冨本秀和先生によりますと認知症患者は爆発的に増加しており、要介護の原因としても脳卒中に次ぐ頻度になってきているようです。最近では認知症者の不明者も増加しており、認知症者の運転免許返納の問題、認知症者が不幸にして鉄道事故に関わってしまう問題などが取り上げられています。先日も鉄道事故にてなくなられた認知症者のご家族が、介助者もとてもご高齢で要介護者であったにも関わらず多額の責任賠償を求められたというニュースもありました。誰しも他人事ではなくなってきている問題かと思われます。 認知症と老人の良性のもの忘れの違いとして、老人の良性のもの忘れの場合には日常生活に支障がないこと、自覚があること、一部だけ忘れる、作話や取り繕いがない、ほとんど進行しないなどの特徴があるそうです。 冨本秀和先生はアルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の4大認知症についてケアのポイントなどを紹介されました。このうちアルツハイマー病と脳血管性認知症で認知症の8割を占め、両者の合併も多いようです。しかしながら治癒可能な認知症(脱水、ビタミン欠乏症、肝性脳症、正常圧水頭症など)を見逃さないことが、まずは重要であるようです。 イギリスでは生活習慣を改善することにより認知症が予防できることが証明されたそうです。生活習慣病を治せば、アルツハイマー病は予防できるということだそうです。 |