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「妊娠とリウマチ治療」

2014年02月10日(月) 院長ブログ

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先日、三重中央リウマチセミナーが開催され出席しました。

特別講演は「妊娠とリウマチ治療」で講師は国立成育医療センター周産期・母性診療センター主任副センター長村島温子先生でした。

妊娠中の薬の胎児への影響は催奇形性(妊娠初期、14週未満)と胎児毒性(妊娠中期以降)に分けて考えられます。赤ちゃんの100人に3人は、生まれながらに心臓に問題があって手術を要するなどを含めて、生まれながらの異常を持って生まれてくるそうです。お母さんが妊娠中に薬を使わず、放射線も浴びず、病気をしなくても3%くらいは自然に発生するそうです。催奇形性のある薬は、奇形の頻度が自然の3%より明らかに高いものを指します。催奇形性の有無を判断するには、その薬を服用するグループと服用しないグループで発生率の比較をしないとわからないですが、そのようなことは倫理上、道徳的にも不可能です。そこで薬の添付文書には「妊娠中の使用に関する安全性は明らかになっていないので有益性が上回るときのみ使用のこと」などと記載されており「妊娠中も安全ですから使用してください。」と書かれている薬はまずありません。実際に危険性の明らかな場合もありますが、胎児への影響を確かめることができないために服用を控えるように記されている場合も多いそうです。しかしながら疾患によっては内服をやめることが困難である場合も多いと思われます。

関節リウマチの場合には内服を控えると病状が悪化するために、治療中には妊娠を避けるように医師からアドバイスされることが多いと思います。村島温子先生は胎児への影響を心配して、いわれない不安、根拠のない不安で妊娠を諦めてしまう女性を救いたいと強調されます。村島温子先生は抗リウマチ薬を賢く使い、関節リウマチと妊娠の両立を勧めておられます。一般的には過半数の方が妊娠中には関節リウマチが症状の改善を見るそうですが、産後は悪化する場合が多いそうです。

関節リウマチでよく使う薬でNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は胎児毒性について注意が必要です。外用薬でも赤ちゃんに副作用の出た報告があるそうで、要注意ですね。ステロイド(副腎皮質ホルモン)ではプレドニゾロンは胎盤移行生が低く推奨されるようです。

DMARDs(抗リウマチ薬)では関節リウマチでアンカードラッグとされるメトトレキサートの添付文書には妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと、催奇形性を疑う症例報告があり、動物実験で催奇形性が報告されている。母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人には投与しないこと、と記載されています。その他のほとんどのDMARDsでは妊娠中は中止せざるを得ませんが、村島温子先生は何種類かのDMARDsにおいては妊娠判明時の中止でよいとしておられます。このあたりの判断は非常に難しいので、「妊娠と薬情報センター」に問い合わせることが勧められます。村島温子先生は、妊娠は40週で済むものではない、妊娠計画でDMARDsなどを控えていたら関節破壊が進行する、などの懸念から妊娠を望む関節リウマチ患者に対してきめ細やかな配慮と対応を行っており、「妊娠と薬情報センター」を運営して対応にあたっておられます。

村島温子先生は虎の門病院研修医時代に、同世代の若い患者さんが闘病する姿に刺激され、膠原病を研究テーマに選んだそうです。著書も「妊娠と授乳」、「アラフォー安産」など多数です。村島温子先生の女性患者さんを応援したい、救いたいという信念に感心致しました。

 


 
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