12月27日に厚生労働省が、インフルエンザが全国で本格的な流行期に入ったと発表しました。流行入りの時季は平年並みで、ピークは来月1月下旬から2月初め頃とみられているそうです。 11月に名賀医師会小児救急医療研修会が開催され出席しました。講師は国立病院機構三重病院臨床研究部国際保健医療研究室長国立感染症研究所客員研究員谷口清州先生で演題は「インフルエンザの最近の話題-H7N9,MERS,季節性を含めて-」でした。 インフルエンザ流行の状況を知るには国立感染症研究所感染症センターによる症候群サーベイランスというホームページの中で、薬局サーベイランスが便利です。これは毎日の処方状況からインフルエンザ推定患者数を日々公開しているもので、昨日のインフルエンザ流行状況が迅速把握できるというものです。 1施設内で3人以上の施設内感染が考えられる確定例の発生が起こることをアウトブレイクと定義されるそうです。血清疫学調査によりますとインフルエンザ検査を受けてインフルエンザと診断され治療を受けるグループより多くの方が症状はあるものの検査、治療を受けずに自然治癒していく(顕性感染)グループがあり、またそれ以上に多くのグループが感染していてもあまり症状のない(不顕性感染)グループがあるそうです。アウトブレイクの早期探知と対応には日頃からの衛生対策は最も重要ではあるものの、不特定多数の感染者が存在する中で施設におけるアウトブレイクは絶対に防止できないであろうということでした。確かに症状もあまりなく検査も受けていなかったら、不顕性感染の場合には自分がウイルスを拡散しているという自覚はありませんからね。誰でも無意識に感染源になりうるということですね。 MERSとは中東呼吸器症候群のことでウイルスの名称はMERSコロナウイルスで大規模感染の恐れもあり、今後の経過が注目されているそうです。 鳥インフルエンザA(H7N9)は中国で広がり台湾でも確認されているそうです。H7に対しては人類のほとんどが免疫を持っていないそうで、地理的にも日本に波及する恐れが高いそうです。今後の状況を注意深く見守りたいです。 |