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「サッカーにおける下肢の外傷・障害~日本代表チームでのメディカルサポートも含めて~」

2013年11月13日(水) 院長ブログ

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先日、奈良県医師会スポーツ医学部会講演会があり、出席しました。講師は順天堂大学整形外科・スポーツ診療科先任准教授池田浩先生で講演は「サッカーにおける下肢の外傷・障害~日本代表チームでのメディカルサポートも含めて~」でした。池田浩先生はサッカー日本代表チームドクター、J1サッカージェフユナイテッド市原・千葉チームドクターを兼任され、豊富なスポーツドクターとしての経験を披露して下さいました。

池田浩先生によりますと、スポーツドクターの役割は手術治療よりも予防医学の方が重要で、綿密な疫学調査によりスポーツ外傷・障害の予防に努めることが肝要であるということです。

サッカーJリーグにおきまして、1試合平均0.65件の外傷が発生しているそうです。そのうち下肢の外傷が60~70%を占めるそうですが、意外と頭頚部外傷も多く20%くらいを占めるそうです。下肢の外傷では肉離れ(筋損傷)と靱帯損傷が多いそうです。肉離れ(筋損傷)はハムストリングス、大腿四頭筋、下腿三頭筋、内転筋に多く、靱帯損傷は足関節外側側副靱帯損傷、膝内側側副靱帯損傷、膝前十字靱帯損傷などが多いようです。

膝前十字靱帯損傷は先日の日体協スポーツドクター研修会の講習でも紹介されたバスケットボール選手においてもそうであったように、サッカーでも女子選手が男子選手の8倍多いそうです。しかしながら男子選手でも前十字靱帯損傷の起こる頻度は高くなくても手術治療に至る場合は多いようです。前十字靱帯損傷に対する保存治療(手術をしない治療)の成績は不十分な場合が多く、膝くずれ(歩行時などに膝がガクッとはずれるように力が抜けてしまうこと)が起こりやすく、二次的に半月板損傷や軟骨損傷を起こしてしまうことが多いようです。前十字靱帯損傷に対する手術治療(靭帯再建術)の成績は良好で、トップアスリートであっても80%以上は復帰可能なようです。しかしながら前十字靱帯再建術後に復帰まで早くて6~8ヶ月間要することが問題です。再建術では池田浩先生は損傷した前十字靱帯を温存した再建術を施行し、更に良好な結果を得ているようです。また国際サッカー連盟(FIFA)が作成し展開している前十字靱帯損傷の予防にも役立つThe 11+という外傷・障害予防トレーニングを紹介して頂きました。。

肉離れ(筋損傷)は従来MRI像における出血量の多さによって重症度を区分していましたが、出血を起こしている解剖学的部位による重症度分類に変わってきているようです。血行の良くない腱周囲損傷では、出血量の多さに関わらず復帰までの期間が長くなるようです。

サッカーにおいて特徴的に多い疲労骨折は第5中足骨疲労骨折で、人工芝のグラウンドでは発生率が高いようです。保存治療では再発率が高いために手術治療を要することが多いようです。手術治療の成績は良く保存治療よりも復帰までの期間が短縮されるようですが、それでも復帰が早すぎると再骨折の危険性があるようです。

Jリーグチームのチームドクターとして年中昼夜を問わずチームをサポートし、なおかつ日本代表チーム帯同チームドクターとして年間60日くらいは選手、スタッフとともに遠征などホテル生活になるそうで、家を空けることが多く家族の方の理解と支え(忍耐も?)も必須なようです。また外国チームに所属する選手の健康状態、怪我の状態などを外国のドクターとやりとりをしたり、海外遠征に向けて全ての選手に多くの感染症の予防接種をしたりと、色々なご苦労を紹介して頂きました。

池田浩先生はスポーツドクター、チームドクターとして現場に求められているものは優れた技術以上に現場のニーズに応じた対応であると述べておられました。現場で奮闘しておられる先生ならではの言葉かと思われました。


 
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