近鉄花園ラグビー場で開催されている全国高等学校ラグビーフットボール大会がいよいよ佳境です。昨日は準々決勝が行われ、グラウンドドクターとしていって参りました。 第2試合では大会3連覇中の福岡代表の東福岡高校が開始早々FWで茨城代表の茗渓学園を圧倒しトライを挙げていました。このあと一方的になるのかと思いきや、徐々に茗渓学園のディフェンスが機能しだしてゲインされなくなりました。そして茗渓学園の連続攻撃が決まるようになり、最後は逆転勝利。体格で優る相手にディフェンスで凌いで速い展開で勝利するという、ジャパン(日本代表チーム)が外国のチームに勝利するような見事な勝利でした。本当にハイレベルな見応えのある試合でした。 第3試合では大阪第1地区代表常翔学園と京都代表の伏見工業がお互いの持ち味と展開力を活かした拮抗した勝負を繰り広げ、スリリングな試合でした。最後は終了間際に常翔学園が逆転のペナルティーゴールを決めて1点差で勝利しました。常翔学園は名簿の集合写真でも部員数の多さが群を抜いています。100名は優に超えるでしょうね。 第4試合では秋田代表の秋田工業と奈良代表の御所実業の試合でした。開始早々秋田工業のFWモール攻撃が決まり、秋田工業が先制しました。その後は御所実業がFWにこだわった攻撃を見せ、逆にFWで3本のトライを挙げて逆転勝利しました。体格に優る秋田工業得意のFWモール攻撃にこだわり逆に取り返したところに御所実業の凄味を感じました。得意な攻撃でやり返された分、秋田工業のダメージは大きかったと思います。前の試合では決して崩れることの無かった秋田工業の鉄壁のモールが、試合中盤からことごとく潰されていました。御所実業のモールディフェンスも素晴らしかったということでしょう。しかしながらセットスクラムは秋田工業が優勢であり、試合結果はどちらに転ぶかわからない状況でした。ただ試合展開は両チームがFWにこだわった分、ダイナミックな展開は少なかったです。お互いにBKの展開力を披露する場面が少なかったようです。 御所実業高校の1年生WTB竹山君は試合途中からプレースキッカーも任されていました。残念にもゴールキック失敗後の彼の落胆ぶりは痛々しいほどでした。それにしてもどれだけの重圧がこの1年生プレーヤーに掛かっているのでしょう。試合に出ているメンバーはほとんどが3年生、試合に出られないメンバーにも上級生が大勢いることでしょう。その中で唯一の1年生。それでなくとも高校1年生から見るとクラブの3年生の先輩なんて、雲の上の存在みたいなものですからね。この壮絶なプレッシャーの経験は一流選手になっていくための貴重な糧になるのでしょうね。今後の竹山君の活躍がますます楽しみになりました。 これだけ熱戦が続くと、どの選手も何かと体を痛めがちです。あと2試合、本大会に出場している選手の皆さんが怪我無く戦い終えるように祈るばかりです。 |