先日四日市で講演会があり出席しました。 一般講演は市立四日市病院整形外科医長三矢聡先生の「骨盤骨折の治療 -救命から再建まで-」でした。 骨盤骨折は交通外傷や高所からの転落事故などの高エネルギー外傷によって生じます。整形外科の外傷の中でも最も重篤な状態に陥る危険性を孕んでおり、通常は救命救急センターなどの三次救急施設で治療されます。 骨盤骨折でも特に不安定型骨盤輪骨折の場合には大量出血を伴う場合が多く、まず救命処置が優先されます。三矢聡先生は早期の治療としてPelvic Binder(骨盤周囲を圧迫する器具)、骨盤創外固定(骨盤を体外で仮固定する器具)、動脈内塞栓術(放射線科により行われます。)、ガーゼパッキング(直接出血部をガーゼで止血する方法)などを紹介して下さいました。1週間ほど経過して全身状態が落ち着いてから内固定器具を用いた手術治療を施行しています。 この様な重傷の骨盤骨折は三重県下でも毎年360例から540例も起こっているそうです。市立四日市病院でも年間24例もの手術治療が行われているそうです。三重県の三次救急は、三矢聡先生達の努力によって支えられていますね。 |