映画、Always 三丁目の夕日’64を観ました。舞台となった1964年(昭和39年)は東京オリンピックのあった年で、考えれば戦後たった19年しか経っていないのですね。私が生まれたのが昭和38年ですので登場人物はほとんど私の親の世代くらいとなります。舞台は東京の下町ですが、私の育った大阪でも同じように路面電車があります。大阪の路面電車(阪堺電車、以前は南海電車)は今でもあり、チンチン電車と呼ばれています。私の子供の頃の風景にも通じるところがあって、なんだか懐かしい気がしました。 宅間医師が「今は皆が上を目指している時代です。」と言っているように、この時代はまさに高度成長時代ですね。登場人物のみんなが活気に溢れている様に見えます。それと隣近所の垣根が低いですね。まさに地域が一体となった共同社会の営みの様です。それがこの50年の間に高度成長時代からバブルの時代があり、バブルがはじけて不況になり久しくなります。また第1次、第2次ベビーブームの時代もありましたが第3次ベビーブームは起こらず、今や世界一の少子高齢化社会となりました。先日には2060年に日本の人口が8674万人になり、65歳以上が4割を占めるようになるというショッキングなニュースも報じられていました。たった50年ほどの間にこれ程世の中の状況、環境、人の価値観などが変貌してきたことに改めて驚いてしまいます。次の50年はどんなになっていくのか想像もつきませんが、世の中どんどん変化していくことだけは確実なようです。大きな変化の中でも普遍的に人間の最も大切なものを見失わないようにしたいものだと思います。 映画を観ていて目に留まったのは登場人物がタバコを吸う場面の多さです。確かに当時は喫煙者が多かったように思えますね。嫌煙権などという言葉は無かった時代ですから、小学校、中学校の職員室がタバコの煙でモクモクしているのは当たり前の風景でしたが今では考えられませんね。また妊婦さんの前で喫煙するという、今では眉を顰められることも当時はあまり違和感が無かったように思います。 地域住民に囲まれて信頼され地域住民に溶け込んでいる宅間医師、誤解を受けながらも時代に逆らって理想を追求する菊池医師には好感を覚えました。 なんだか懐かしい、楽しい気分になる物語でした。 |