先日、伊賀地区骨粗鬆症を考える会という整形外科医師の集まりがあり、三重大整形外科の湏藤啓広教授の「骨粗鬆症に関する最近の話題」という講演を聞きました。 骨粗鬆症とは漢字も馴染みがなく難しい字ですが、近年高齢化にしたがって大変増加しています。女性に多いことや骨折を起こしやすいことなどで、皆さんご存知かもしれませんね。現在日本では約1100万人が骨粗鬆症と言われています。ところが実際に治療を受けているのは約2割くらいです。 平成16年の厚生労働省の国民生活基礎調査では寝たきりの原因として脳卒中、老衰に次いで骨粗鬆症をベースとした転倒、骨折が10.8%と第3位です。ところが湏藤啓広教授によりますと骨粗鬆症は寝たきりの原因のみならず心血管障害、肺機能障害、消化管機能障害にも密接に関係しており、骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折の有無や個数が生存率にも影響しているということでした。 皆さん、脊椎(特に背骨の)圧迫骨折の有無を簡単に調べる方法をご存知ですか?壁に背中をつけて立ってみてください。この時にかかととお尻と背中を壁にくっつけてください。そして壁に後頭部がつけられない場合には胸椎圧迫骨折が疑われます。簡単ですので一度やってみてくださいね。 著者:Green AD/Colón-Emeric CS/Bastian L/et al. |