腰椎分離症は椎弓の関節突起間部の骨連続性が途絶えた状態です。原因は先天的要因と疲労骨折要因があります。酒巻らは分離症の発症時期は圧倒的に中高生が多かったと報告しています。腰椎分離症の治療は骨癒合を優先的に第一目的とするが、病気・病態・時期・環境(スポーツの中止ができない、装具が使用できない等)により、骨癒合を優先的に行うのか、除痛を優先とするのか判断されます。分離症が終末期に進行し問題になるのは、①分離すべり症への進展 ②分離部滑膜炎 ③骨増生による変形・先鋭した部分(ragged edge)による神経根症状の三点が挙げられます。
理学療法としてはスポーツ由来による脊椎障害は股関節・腰部を含めた体幹・下肢の柔軟性低下に基づくものと考えられており、分離症発症、再発予防として柔軟性の獲得、筋力の向上、可動域の改善、筋出力の協調性獲得など行っています。
リハビリテーション室長 見田忠幸
参考文献
MB Orthop Vol.27 No.13 2014
骨粗鬆症患者の場合骨が脆くなっているため、軽微な転倒でも骨折してしまう可能性が高いため、転倒には十分に注意が必要です。歩行が不安定な方には、見守りや歩行介助で骨折を予防することが重要です。
転倒を効果的に予防する介助のポイントとして、1つ目は被介助者の足元をよく見ることです。足が正しく地面に接地できていないときに転倒が起こりやすいためです。さらにもう少し視野を広げて足元周囲を観察し、障害物や滑りやすい環境はないか注意を払います。2つ目は被介助者に身体を近づけておくことです。態勢を崩して転倒しそうになったときに、とっさに支えられるようにするためです。その際身体の重心である骨盤付近をしっかりと支えるようにします。3つ目に介助する者は、足をしっかりと広げておくことです。バランスを崩した身体を安定して支えるため自分の支持基底面を広げておくことが重要です。
コロナウィルス感染症流行で自粛生活が続き、外出や運動機会が減少したことによる筋力低下や、寒さによる厚着など、転倒しやすい因子が重なるこの季節、皆様には十分に気をつけて参考にしていただきたいと思います。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献
整形外科看護vol25 no7 メディカ出版 2020
年末年始休診は令和2年12月29日(火)~令和3年1月3日(日)とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解ご協力を賜りますように何卒よろしくお願い申し上げます。