身体内部に想定される重心を通る相互に直行する3つの面を身体の基本面といい、身体を上下に2分する面を基本水平面といいます。また基本水平面から外れた平行な面を水平面といいます。
水平面上の動きを見る場合は主に回旋となります。また両肩、両骨盤などを水平面で観察することにより身体の前後の位置関係を把握することができます。
リハビリテーション科 堤 豊
新聞によりますと、「敬老の日」を前に総務省が65歳以上の高齢者の推計人口(15日時点)を3557万人と公表し、総人口を占める割合は28.1%と過去最高を更新したそうです。70歳以上は2618万人で全体の20.7%を占め、「団塊の世代」が70歳を迎え始めたことが影響しているそうです。高齢化進行の速さには驚くばかりですね!
高齢者割合は世界でもダントツの一位ということで、世界でも類を見ない異次元の状況になってきているようです。医療や福祉の世界でも、他分野と同様に色々な面での変革は避けられない状況なのでしょうね。
現在、当院で使用している腰椎牽引機器は股関節90°膝関節90°の状態で腰椎の牽引を行なっています。股関節90°膝関節90°牽引の場合、前弯が減少し脊柱が牽引方向に対して水平な状態で牽引するので無理な力が脊柱に働かずに筋のリラクセーション、筋を調整する作用が起きます。腰椎の前弯が減少し脊柱が牽引方向に対して水平な状態で牽引を行う事のメリットとして椎間関節が緩やかに開く作用があり、椎間孔の開大、椎間板後部の開大に作用します。これは狭窄症・ヘルニアに有効であると言えます。
従来からの牽引は前弯がわずかに残存し、脊柱が牽引方向に対して水平ではない状態で行うので脊柱を無理に伸張する力が加わり、同時に椎間関節に不適切な力が働く事になります。
リハビリテーション室長 見田忠幸