2016 年 3 月 のアーカイブ

リハビリ通信 No.190 関節リウマチの変形について

2016年03月11日(金) QAリハビリテーション科1新着情報

無題

関節リウマチの変形は、各関節に生じますがとくに両側の指の関節や手関節に特徴的な変形が生じます。

・スワンネック変形:指の第一関節が屈曲し、第二関節が過伸展位となる。変形した指を横からみると白鳥の首のようにみえるのでこの名がつきました。

・ボタンホール変形:指の第一関節が伸展し、第二関節が屈曲位となる。背側に突出した骨がボタンの穴のように腱に穴をあけるのでこの名がつきました。

・尺側偏位:親指以外の指が全て尺側(小指側)を向きます。

・Z型変形:親指の第一関節が伸展し、第二関節が屈曲位になります。

指の変形が進行すると日常生活に支障をきたします。そのため理学療法士は関節可動域訓練以外にも関節に負担のかからないように日常生活指導を行ったり、自助具の導入を進めたりしています。

リハビリテーション科 服部 司

予防接種講習会

2016年03月07日(月) 院長ブログ

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先日、名賀医師会主催の予防接種講習会が開催されました。演題は「最近の予防接種状況とワクチン副反応について」で講師は三重病院小児科、感染症センター副部長浅田和豊先生でした。

浅田豊和先生によりますと、ここ数年に導入されたワクチンはHibワクチン、日本脳炎ワクチン、子宮頚癌ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタウイルスワクチン、不活化ポリオワクチン、髄膜炎菌ワクチンなどで、近年どんどん増加しているそうです。ワクチンの効果に関しては、津市におきまして5歳未満のロタウイルス胃腸炎の入院症例数・率がロタウイルスワクチン導入後に2シーズン連続で減少したなどと一定の効果は得られているそうです。三重県小児科医会が提案する予防接種スケジュールを見せてもらいましたが、かなり密なスケジュールです。種類が多いので同時摂取する場合が多いそうですが、同時接種するとアナフィラキシーショックが起こった場合に投与したワクチン全てが禁忌になるという問題点もあるそうです。B型肝炎ウイルスは今年10月から定期接種となるそうです。B型肝炎ウイルスは血液、体液によって感染するのですが、この体液には尿、唾液、涙、汗も含まれるそうです。B型肝炎ウイルスは不顕性感染でも感染が成立すると、ウイルスが肝臓にほぼ100%残ってしまうそうです。悪性疾患などに罹り免疫抑制するとDe novo肝炎となり、劇症肝炎となることもあるそうです。

予防接種ワクチンの接種方法ですが、接種部位は乳幼児では大腿外側広筋に接種する場合が多いそうです。大腿外側広筋に接種する場合は大腿の前外側部、中央の1/3のところに接種し、注射針は25G針25mm長のものを使用し、皮膚を少しつまんで注射するとよいようです。筋注と大腿四頭筋拘縮症の関連ですが、1970年代に解熱剤、抗菌薬の筋注により約3600名の大腿四頭筋拘縮症の患者報告があったそうです。予防接種との因果関係は認められていないそうです。卵アレルギーがある場合の予防接種も懸念されるところですが、ワクチンに含有されるオボアルブミン(卵アレルギーの主要なアレルゲンの一種)濃度が微量なためにアナフィラキシーを起こす濃度に達していないので、卵アレルギーによるアナフィラキシーショックの既往があっても日本のワクチンであれば接種可能であるということでした。ワクチンの想定される副反応と出現時期は、接種後直ちに血管迷走神経反射、アナフィラキシー、少し時間をおいてIV型アレルギー反応、自然免疫反応、1週間から3週間ほどおいて出現する獲得免疫反応、増殖による反応などだそうです。副反応報告はPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構法)に報告するよう義務付けられています。健康被害救済制度は、定期予防接種による健康被害は予防接種法により救済され申請先は市町村で、任意予防接種による健康被害はPMDAにより救済されるそうです。ロタウイルスワクチンと腸重積症との関連性も報告されたそうですが、腸重積症の発症リスクを増加させる頻度はごくわずかであり、ワクチンの予防効果の方がはるかに上回ると判断されているそうです。BCGの副反応としてコッホ現象(接種局所の発赤・腫脹)、化膿性リンパ節炎、皮膚結核様病変、骨炎、全身性BCG感染症などがあるそうですが、骨炎・骨髄炎の頻度は少ないそうです。子宮頚癌ワクチンと疼痛関連事象または運動障害の問題はよく報道などでも取り上げられています。この問題に関しては、早い原因の解明と解決が待たれるところですね。

アナフィラキシーと血管迷走神経反射は、共通する症状として血圧低下はありますが、血管迷走神経反射は通常蒼白、発汗を伴うのに対して、アナフィラキシーは尋麻疹、皮膚紅潮、呼吸器症状、消化器症状や中枢神経系症状が見られることもあり、活動の低下、不安感、落ちていくような感覚、昏睡なども起こりえるということです。血管迷走神経反射は徐脈となりアトロピン投与などにて対応、アナフィラキシーは頻脈から徐脈になりアドレナリン投与などにて対応ということですが、迷ったらアドレナリン投与すべきであるということでした。アナフィラキシーにおける早期アドレナリン投与は有効で、あるデータによると30分以内にアドレナリン投与した場合には死亡例はなかったということでした。アナフィラキシーの初期対応は仰臥位にして足を上げることが重要です。体位変換をきっかけに急変する可能性があるために急に座ったり立ち上がったりする動作をとらせない、トイレになど行かせたりしないなどの注意が必要ということでした。

予防接種48時間以内に突然、脱力や意識混迷、反応性の低下、顔面蒼白などを呈する予防接種副反応の一つである低緊張低反応 Hypotonic-hyporesponsive Episode (HHE)を浅田和豊先生は紹介して下さいました。HHEは低緊張かつ低反応性、顔色不良となり、2歳以下が94%、頻度は7-70回/10万接種、約半数が初回接種で起こり、接種後平均して3~4時間で起こり、持続は6~30分間、原因は不明であるということでした。また文献によりますと、HHEは更なる重大な合併症を引き起こすエビデンスはなく、再発は極めて稀であり、初回あるいは再発いずれにおいてもリスク因子は知られておらず、予測は不可能ということでした。

当院では予防接種はインフルエンザワクチン、成人肺炎球菌ワクチンしか施行していませんが、大変参考になる講習会でした。

受付事務・リハビリスタッフ (パート) 募集のお知らせ

2016年03月06日(日) 新着情報

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受付事務・リハビリスタッフ (パート) を募集しています。

<応募>履歴書をクリニックまで郵送して下さい。後日に、ご連絡致します。

〒518-0752 名張市蔵持町原出769番1 秋山整形外科クリニック

 

 

 

<職務内容>

 

・受付および会計業務 (電子カルテ使用)

・患者様対応および電話対応

・リハビリ室での患者様の誘導・補助およびリハビリ機器の操作

・レントゲン撮影介助

・診察室での患者様誘導など

・その他、清掃など

 

 

 

<給与>

・時給850円

 

 

<勤務時間>

1) 08:40~12:10

2) 14:55~19:15

月、火、水、金は午前午後、木、土は午前、日祝は休み

※ 勤務時間、シフト勤務は相談に応じますが、午後も勤務できる方に限ります。お気軽にご相談下さい。

 

<休日>

日曜、祝日、木曜午後、土曜午後

待ち時間のお知らせ (2月29日~3月5日)

2016年03月06日(日) 待ち時間のお知らせ1新着情報

2月29日~3月5日

リハビリ通信 No.189 肩甲骨固定筋の筋力低下と肩こりについて

2016年03月05日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

図1(図1)

図2(図2)図3(図3)

肩こりの原因は、様々なことが言われています。その数ある原因の一つとして肩甲骨固定筋の筋力低下があります。

人間の肩甲骨は胸郭上に乗るような構造をしており、様々な筋肉によって肩甲骨は胸郭から離れないように固定されています。その中でも、図1にある「僧帽筋」という筋肉が肩こりと大きく関連しているものと考えられます。この僧帽筋が筋力低下を起こすと、肩甲骨は重力に抗することができずに下がってしまいます(図2)。その結果、肩こりの好発部位である肩甲挙筋という筋肉(図3)が持続的に牽引されることにより肩こりが生じてくると考えられます。

様々な肩関節疾患を罹患して関節運動が長期に渡って制限された結果、この僧帽筋の筋力低下が生じるケースはよく経験します。その結果、二次的障害として肩こりを自覚しておられる患者さんもたくさんいます。われわれ理学療法士は肩甲骨の位置や筋力をチェックし、二次的に生じる肩こりやその他の症状の予防も念頭に置いて治療にあたっています。

リハビリテーション科 小野正博