前腕には橈骨と尺骨の2本の骨がありますが、親指側にある橈骨の手首に近いところで起こる骨折のことを橈骨遠位端骨折といいます。転んで手のひらを地面につくことで発生しやすく、骨粗鬆症のある女性に多いですが、若い人でも高所からの転落や自転車での転倒などで受傷することがあります。
症状は手首に強い痛みがあり、短時間のうちに腫れてきます。症例によって違いはありますが、手のひらをついて転んだあとでは、食器のフォークを伏せて置いたような変形がみられることがあります。(フォーク状変形)手がブラブラで力が入らず、反対側の手で支えなければならなくなります。時には折れた骨や腫れによって神経が圧迫され指がしびれることもあります。
治療は転位が少なく、良い形を維持できるようであれば、ギプスやシーネ固定などの保存治療が行われます。骨折部のずれが大きい場合や開放性、粉砕が著しい場合は手術治療が選択されます。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献 整形外科看護 第26巻12号 2021
肩関節周囲炎とは、肩関節に痛みと動きの制限をもたらす疾患の総称です。肩関節周囲に痛みを感じて来院される患者様の中には、更衣動作(服の着脱)時や就寝時の痛みを訴えている方は多くみえます。更衣動作では、何気なく患側の肩(痛い方の肩)を後ろに引いたり、捻りが入ると痛みが生じる場合があります。その場合のADL指導は下記をご覧ください。
【洋服を着る時】
患側の袖を先に通し、頭、健側の順番で袖を通します。
【洋服を脱ぐ時】
健側の腕から先に抜き、頭、患側の順番で袖から腕を抜きます。
上記の方法で着脱すれば、できるだけ患側を動かさない状態で実行することができます。
リハビリテーション科 河田龍人