手の親指のことを「母指」といい、その母指の付け根の部分に位置する関節をCM関節(carpometacarpal joint)といいます。そして、このCM関節で関節症性変化(いわゆる関節の変形)が生じる疾患を母指CM関節症といいます。
このCM関節症の特徴として、同関節の運動時痛・圧痛・腫脹が多く、痛みのために「痛くて物が持てない。」、「痛くて物が掴めない。」と訴えて受診される方が多いです。特に女性の罹患率が高く、当院を受診される母指CM関節症の患者さんもほとんどが女性です。
治療方法としては様々な方法が報告されており、装具を装着することで安静を保ち、痛みを軽減するという方法が一般的には多いと思いますが、関節症性変化が強くなってきたり、保存療法が著効しないような場合は外科的治療が適応となる方もおられるので注意が必要です。
リハビリテーション科 小野正博
代償動作は歩く、物を取る、など目的そのものを達成するためには必要な機能といえます。
しかし、本来使われるはずの筋肉や関節が動かせないことによって、硬くなったり、疼痛を引き起こしてしまったり、または代償した部分が過負荷となったりしてしまう可能性があります。
そのため理学療法では、代償動作を抑制しつつ目的の関節や筋肉が働きやすい環境を作って運動療法を行います。
ポイントとしては、弱い負荷で行い、他の部分が動かないようしっかり固定して動かすことが重要と考えます。
リハビリテーション科 堤 豊