代償動作とは本来使うべき機能以外の部分を使って動作を行う事をいいます。
その中で股関節に起こる特徴的な現象をご紹介します。
股関節の外転筋力が低下した際、支持した反対側の骨盤が沈下する現象をトレンデレンブルグ徴候といいます。また、支持した側に体幹部が側屈する現象をデュシェンヌ跛行といいます。
どちらも片脚立位や歩行時においてバランスをとるための代償といえますが、筋力や柔軟性、関節の可動性によって様々なパターンがあるといえます。
リハビリテーション科 堤 豊
3月は、自殺対策強化月間だそうです。
例年、月別自殺者数の最も多いのが3月であるそうで、3月が「自殺対策強化月間」と定められたそうです。厚労省によりますと相談支援としてSNS相談事業の拡充、こころの健康相談統一ダイヤルの拡充などの他、正しい知識や相談支援に関する情報の普及および自殺対策啓発活動なども行われているようです。
国民全体の自殺者数は減少傾向にあるそうで、2000年には3万人を超えていたのが2017年には約2万人と、およそ3分の2に減少したそうです。しかしながら思春期の10代前半では増加傾向にあるそうで、日本の子どもの自殺率は2010年以降、急上昇しているそうです。
中高年だけでなく、子どもや若者の自殺対策が求められているようです。
小中学生のスポーツ障害で多い疾患は付着部炎、骨折、軟骨剥離、軟骨損傷、離断性骨軟骨炎などが見られます。スポーツを行っている小中学生が、なぜこの様な病態に到るのかは成長期で急激に体が成長するからです。成長期に入り、骨が伸びて行きますが骨の成長速度と骨周囲の軟部組織の成長速度が違うからです。軟部組織(筋・腱・靱帯・筋膜)に比べ骨の成長速度の方が早く、常に軟部組織は引っ張られた状態で負荷が加わり、張力が直接、骨に付着している部分にかかり、大きな負担となり炎症を起こします。
また骨折、軟骨損傷、離断性骨軟骨炎に到るには、骨が小中学生では、まだ完成されておらず、骨端線が埋まっていない未完成な状態です。スポーツでの繰り返しの運動により筋が引っ張り強度を増し、負荷が骨端線部分に加わることにより骨の離開ストレスが進み軟骨損傷へと至ります。理学療法では病態を理解し損傷部位に負荷をかけないように治療を進めて行きます。
リハビリテーション室長 見田忠幸