2019 年 3 月 のアーカイブ

リハビリ通信 No.288 小中学生のスポーツ障害について

2019年03月07日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

小中学生のスポーツ障害で多い疾患は付着部炎、骨折、軟骨剥離、軟骨損傷、離断性骨軟骨炎などが見られます。スポーツを行っている小中学生が、なぜこの様な病態に到るのかは成長期で急激に体が成長するからです。成長期に入り、骨が伸びて行きますが骨の成長速度と骨周囲の軟部組織の成長速度が違うからです。軟部組織(筋・腱・靱帯・筋膜)に比べ骨の成長速度の方が早く、常に軟部組織は引っ張られた状態で負荷が加わり、張力が直接、骨に付着している部分にかかり、大きな負担となり炎症を起こします。

また骨折、軟骨損傷、離断性骨軟骨炎に到るには、骨が小中学生では、まだ完成されておらず、骨端線が埋まっていない未完成な状態です。スポーツでの繰り返しの運動により筋が引っ張り強度を増し、負荷が骨端線部分に加わることにより骨の離開ストレスが進み軟骨損傷へと至ります。理学療法では病態を理解し損傷部位に負荷をかけないように治療を進めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸

待ち時間のお知らせ(2月25日~3月2日)

2019年03月03日(日) 待ち時間のお知らせ1新着情報

2019年03月01日(金) トップインフォメーション

相手の気持ちや立場を尊重し、思いやりのある態度で接します。

秋山整形外科クリニック スタッフ一同

第3回ラグビードクター・カンファランス

2019年03月01日(金) 院長ブログ

先日、第3回ラグビードクター・カンファランスが開催されました。

開会の辞では公益財団法人日本ラグビーフットボール協会副会長坂田好弘氏が挨拶をされました。坂田好弘氏は選手時代に1968年の日本代表のニュージーランド遠征で、オールブラックス・ジュニア戦で4トライを挙げ、翌年にはニュージーランドに留学し、カンタベリー州代表やニュージーランド学生選抜に選出された伝説のプレーヤーです。坂田好弘氏は同志社大学学生の選手時代に、医療と関わった経験として大晦日に練習で下顎骨折を受傷し緊急手術を受けたエピソードなどを披露して下さいました。またその経験から絶好調の時ほど危ない、調子に乗るとダメ、と含蓄深いアドバイスを紹介してくださいました。

Ⅰ.基調講演の第1席は「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会の成功に向けて」で演者は公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会事務総長島津昭氏でした。

2019年9月20日に、世界三大スポーツ祭典の一つであるラグビーワールドカップがいよいよ日本で開幕します。島津昭氏によりますとラグビーワールドカップ2019は、アジアで、そしてラグビー伝統国以外で初めての開催であり、正に「新たな歴史をつくる大会」となるということです。”4年に一度じゃない。一生に一度だ”というキャッチコピーのもと、全国12都市で44日間にわたり全48試合が繰り広げられるこのトーナメントを成功させるために、公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会では準備を進めているということでした。

ラグビーワールドカップの毎大会の優勝チームに渡されるカップは「ウェブ・エリス・カップ」で、1823年に英国のパブリックスクール、ラグビー高で、ウィリアム・ウェブ・エリス少年が当時の原始的フットボール(サッカーが生まれる以前の競技)のルールを無視してボールを持って走り出して、そのエリス少年がラグビーの創始者とされるエピソードから命名されたそうです。

ラグビーワールドカップ2019TM日本大会のトーナメントマークは日本の象徴となる朝日と富士山がワールドラグビーのマークと合わさったものですが、ラグビーにおける日本と世界の融合が示されているそうです。トーナメントマークのテーマは「ユニティ(Unity)」でラグビーワールドカップにとっての新しいテリトリーである日本(アジア)とラグビー伝統国の選手、ファンが「一体となって」ラグビーをグローバルスポーツにするためにアジアで初めての大会を「一緒に」作り上げること、日本の人々、そして全世界のラグビーファンがラグビーの精神を「共有」し、「団結」すること、そして開催都市を中心に日本全国が「結束」して、世界中から集まったラグビーファンをおもてなしし、素晴らしい体験をしてもらいたいという気持ちがこもっているそうです。

ラグビーワールドカップ2019TM日本大会の大会ビジョンは「絆 協創 そして前へ」で、日本と世界の人々を強い絆で結び、誰も経験したことのない、ラグビーと仲間たちの祭典を協創し、すべての人の輝く未来へ、進もう心ひとつに、というビジョンであるということでした。

島津昭氏は試合会場、キャンプ地の整備、参加チームや観客向けの医療サービス体制整備、大会ボランティア「TEAM NO-SIDE」の募集・研修、チケット販売の取り組みなど、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の取り組みなどを紹介してくださいました。島津昭氏によりますと、ワールドカップスタンダード(世界基準)とされる大会準備は佳境を迎えており、その取り組みは大きな経済効果やラグビーの地平線を広げる「レガシー(遺産)」ともなるということでした。

Ⅰ.基調講演の第2席は兵庫医科大学整形外科主任教授吉矢晋一先生が「スポーツ外傷・変形性関節症における診断と薬物療法」を発表されました。

Ⅱ.基調講演は「Rugby World Cup (RWC) 2019の医務体制」を中村外科・小児科医院院長中村明彦先生が、「中高生の重症頭頚部外傷」を聖隷三方原病院脳神経外科部長佐藤晴彦先生が、「2020年に向けて、セブンス帯同ドクターとしての役割」を久留米大学・五反田病院院長五反田清和先生が発表されました。

いよいよ今年に開催されるラグビーワールドカップ2019TM日本大会を迎えるにふさわしい演題ばかりで、大変有意義な講演会でした。