楔(くさび)とは、木や金属で一端が厚く他端に至るにしたがって薄くなるように作ったものを言うそうです。木材や石材を割るとき、重い物を押し上げたりするときの道具として使用されるそうです。
骨粗鬆症性骨折のうち最も頻度が高いのは椎体の圧迫骨折ですが、その中でも脊椎椎体の前方が圧迫されている状態を、整形外科では楔状骨折と表現します。
この状態の骨折はおもに前方は破壊されますが、中央部や後方部は保たれるため、安定型の損傷とされています。治療の基本は保存治療で、体幹装具(コルセット)を装着し、鎮痛剤を使用しながら日常生活動作の維持、拡大を図ります。
しかし中央部にかけて椎体全体が強く圧迫されてしまうような骨折や、椎間関節が脱臼するような重症の骨折では強い不安定性を生じるため、治療方法は全く異なります。
骨粗鬆マネージャー 石山瑞穂
参考文献
整形外科看護 第23巻1号 メディカ出版 2018
診療ガイドラインとは、「特定の病気について、必要な診断や治療の方法を具体的に示した基準や診療指針であり、医師の判断を助けるほか、医療の質の向上や医療費の効率的使用に役立つものである。また、従来は病院や学閥、有力医師ごとに診療内容の基準が違うことが珍しくなかったが、臨床試験データなどを重視するEBM(根拠に基づく医療)が1980年代から国際的に重視されるようになり、1990年代から日本の各学会がガイドラインづくりに取り組むようになった。」(日本大百科全書から引用)とされている。
現在、理学療法においてもこの診療ガイドラインの改定作業が行われており、日本理学療法士協会の会員約115000人の中から約1200人の方々がこの改訂作業に携わっておられます。今回の改訂作業では私も微力ながらその作成のお手伝いをさせていただいており、普段聞き慣れない言葉や研究方法など、すごく勉強になることが多く、良い経験をさせていただいています。これからしばらくの間、苦戦しながらですが、しっかり取り組んでいこうと思います。
リハビリテーション科 小野正博