関節は軟部組織の支持性・柔軟性・滑走性・収縮と骨の動きによって働きます。
軟部組織である筋が短縮・スパズム(れん縮)の状態になっても関節は働きにくくなります。スパズムは阻血、循環不全になり、筋が硬くなった状態です。例えると肩こりの様な状態です。リラクセーション・収縮により循環機能が好転すればスパズム(れん縮)も消失します。
筋の短縮は最小単位である筋節(サルコメア)の数が減少する状態です。つまり、筋節が元の状態になるまでに期間を要します。ストレッチングを繰り返し行い、時間を経れば改善されます。
臨床的には、短縮・スパズム(れん縮)の両方が混在しており、リラクセーション・収縮・ストレッチングを組み合わせ、軟部組織の状態を評価し適切な治療を実施します。
リハビリテーション室長 見田忠幸
先日、伊賀・名賀合同臨床集談会が開催され、特別講演は「骨転移-日常臨床での落とし穴と最近の話題」で講師は三重大学医学部整形外科准教授松峯昭彦先生でした。
他臓器から骨に転移することにより発生した転移性骨腫瘍は原発巣の特定に苦労することもありますが、三重大学医学部附属病院がんセンターでは包括的に治療していることを教えて頂きました。松峯昭彦先生は骨破壊病変の発見に、叩打痛などの所見の重要性を指摘しておられました。
さらに悪性軟部腫瘍についても紹介して頂きました。骨軟部悪性腫瘍はその発生頻度の少なさから見逃されがちですが、隆起性の病変、出血性の病変を見たら腫瘍かもしれないと考える重要性を説いておられました。悪性度の高い軟部腫瘍の特徴として、増大のスピード、サイズ(5cm以上)、硬さ(硬い)、可動性に乏しい、局所熱感、局所発赤、疼痛などを挙げておられます。
感染に見えたが悪性リンパ腫であった症例、猫ひっかき病など特殊な症例も紹介して頂きました。
紛らわしい隠された疾患を見逃さないようには細心の注意が必要ですね。