関節は運動方向(運動軸)によって分類をすることが出来ます。例えば肘関節は運動の軸が1軸性(屈曲・伸展)で蝶番関節と言われています。その他1軸性の関節には近位橈尺関節があり、車軸関節と言われています。
反対に自由度の高い多軸性(運動軸は3軸)は①屈曲・伸展②外転・内転③内旋・外旋の3方向があり、肩関節、股関節が該当し、球(臼)関節と呼ばれています。肩関節は多軸性で自由度が高いだけに不安定性も併発します。しかし、同じ多軸性でも股関節は臼蓋に覆われ骨性に安定しています。
肩関節は軟部組織で覆われ、とくに靭帯の薄い前下方の部分は脱臼しやすく、脱臼をした場合、治療としては筋の協調性の向上が重要なポイントとなります。
リハビリテーション室長 見田忠幸
先日、伊賀地区学校保健研修会があり出席し2つの講演を聴きました。
講演1は三重県伊賀保健所長、中山治先生による「学校における感染症の危機管理」でした。内容は結核と腸管出血性大腸菌感染症への対応についてでした。学校医の役割として、結核患者、潜在性結核感染症患者に対する保健所の管理などについて教わりました。本人の結核罹患歴、予防内服歴、家族等の結核罹患歴などよりも、高蔓延国での居住歴が精密検査の対象となるということでした。
講演2は静岡理工科大学教授、ノースカロライナ州立大学併任教授の志村史夫先生による「ITは人を幸せにするか-21世紀の幸福論-」でした。もともとITの先駆者であった志村先生は、ITによる弊害に警鐘を鳴らす先駆者でもあります。情報の渦に飲み込まれてしまい、本物を見る目や感性を失ってしまいがちなIT世代を憂慮し、本物に触れ感性を磨く重要性を説いておられます。便利な道具であるはずのITに振り回されて支配される危険性を指摘し、エレクトロニクス機器、製品を巨大な怪物に例えて「エレクトロザウルス」と呼び、志村先生が提唱したのが1986年のことだそうです。随分、時代に先駆けておられますね。まだネットも携帯も普及していない時代のことです。志村先生は今の時代に環境破壊と同じくらいに切実で危険なことが心の荒廃であり、「心の中に木を植える」ことが大切だと言っておられます。「星の王子様」サン=テグジュペリで登場するキツネが言った「大切なものは、目に見えない」という台詞も引用しておられました。
よく「IT技術」と言われていますが、ITはinformation technology(情報技術)の略なのでこれでは「頭痛が痛い」と同じである、と志村先生は指摘しておられました。そりゃそうですね!その他にもおもしろい話満載で、志村先生のご講演は大変興味深いものでした。
当クリニックでは下記の期間、夏期休業とさせて頂きますのでご案内いたします。休業期間中は何かとご迷惑をおかけすることと存じますが、ご容赦くださいますように何卒よろしくお願い申し上げます。
夏期休業期間。2012年8月13日(月)~8月15日(水)
変形性膝関節症の患者さんの中には、「変形した骨が痛い」「擦り減った軟骨が痛い」と訴える方が多くいらっしゃいます。しかし、実際には、骨は骨折以外ではほとんど痛みが出ませんし、軟骨そのものには感覚神経がないため擦り減っても痛みを感じることは考えにくいです(半月板の血行の多い部分では痛みを感じます)。
骨や軟骨の痛みとして訴えられているものの多くは、軟骨や半月板が傷むことで関節が本来の動きから逸脱して動くことで、関節を包んでいる関節包の内側を覆う滑膜に炎症が起こることなどが原因と考えられます。
現在の医学では、一度擦り減った軟骨や重度の変形を元通りに戻す治療法はありません。骨の変形や軟骨の問題を改善するには、今後、軟骨の再生医療や薬の開発などが期待されますが、現在は一般的に人工膝関節などの手術が行われます。
理学療法では骨以外の軟部組織、つまり筋肉・靭帯・関節包・半月板・脂肪体などの動きの状態を整えて、関節が変形したなりにも綺麗な軌跡で安定して動くことができるようにアプローチすることで、痛みの軽減や動作能力の向上を図っていきます。
膝が痛くなった時と痛みが楽になった時のレントゲンを比べると、骨の形状に変化がないことがほとんどであり、痛みの原因の多くが骨以外の軟部組織にあることが考えられています。
リハビリテーション科 奥山智啓
映画「風の谷のナウシカ」は、とてもよく知られたアニメ映画ですが、漫画版の「風の谷のナウシカ」はラストが大きく異なります。漫画版は全7巻ですが、アニメ版は漫画版の2巻くらいまでのストーリーの様です。
漫画版ではアニメ版よりも更にストーリーが広大なスケールで展開していき、最後は驚愕のクライマックスになります。大変おもしろいですよ。
それにしてもストーリーは難解ですね。ちょっと読んだだけでは、なかなか理解できません。読むのに随分時間がかかります。
診察の待ち時間が長いときには、最適ですね。皆様、是非ご覧下さい。
クリニックの本棚に置いています。