

リハビリ通信 No.288 小中学生のスポーツ障害について
2019年03月07日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
小中学生のスポーツ障害で多い疾患は付着部炎、骨折、軟骨剥離、軟骨損傷、離断性骨軟骨炎などが見られます。スポーツを行っている小中学生が、なぜこの様な病態に到るのかは成長期で急激に体が成長するからです。成長期に入り、骨が伸びて行きますが骨の成長速度と骨周囲の軟部組織の成長速度が違うからです。軟部組織(筋・腱・靱帯・筋膜)に比べ骨の成長速度の方が早く、常に軟部組織は引っ張られた状態で負荷が加わり、張力が直接、骨に付着している部分にかかり、大きな負担となり炎症を起こします。 また骨折、軟骨損傷、離断性骨軟骨炎に到るには、骨が小中学生では、まだ完成されておらず、骨端線が埋まっていない未完成な状態です。スポーツでの繰り返しの運動により筋が引っ張り強度を増し、負荷が骨端線部分に加わることにより骨の離開ストレスが進み軟骨損傷へと至ります。理学療法では病態を理解し損傷部位に負荷をかけないように治療を進めて行きます。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |


骨粗鬆症とともに Vol.27 ステロイド性骨粗鬆症
2019年02月25日(月) 新着情報1骨粗鬆症
ステロイドとは副腎からつくられる副腎皮質ホルモンのひとつです。ステロイドホルモン薬には強い抗炎症作用や、免疫抑制作用などがあり、さまざまな疾患の治療に使用されます。しかし、効果が期待され臨床では頼りになる治療薬である反面、副作用も多く注意が必要です。 特に注意すべき副作用のひとつがステロイド性骨粗鬆症です。長期でステロイド治療を受けている患者の30~50%に骨折が起こるとの報告があり、小児から高齢者、女性、男性に関わらず幅広く起こります。 ステロイド性骨粗鬆症の病態には骨形成(新しく骨を造る)の低下と骨吸収(骨が壊れて吸収される)の亢進の両方が関与しています。骨形成の低下は、ステロイドの作用が、骨を造って増やす働きである骨芽細胞や骨細胞の寿命を短縮させます。骨吸収の促進は、腸管カルシウム吸収量の減少と尿中カルシウム排泄増加の結果生じる二次性副甲状腺機能亢進症であるとされています。ステロイド内服後は骨量が減少するとの報告があり、骨折のリスクは上昇するとの報告があります。 ステロイド治療中の患者に重要なことは、骨密度低下と骨折リスク上昇を抑制する一次予防(最初の脆弱性骨折の予防)とその後の二次予防(新たな骨折の予防)であるとされています。原疾患の治療だけに留まり副作用で起こる骨粗鬆症が見逃されている場合も多いと言われています。御心配な方は是非御相談いただきたいと思います。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献 骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版、骨粗鬆症治療の予防と治療ガイドライン作成委員会編集、ライフサイエンス社 2015 |

