リハビリ通信 No.315 動作介助と支持基底面について
2020年03月19日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
立ち上がり動作や歩行では、自分の身体をしっかり支持するだけの下肢筋力が必要となりますが、その下肢筋力が低下し、支持が少し困難な方、支持できないために動作が不安定な方がおられます。当院にも各動作が不安定な方が来院され、そのような方が院内を移動する際、スタッフが動作の介助をさせていただくことがあります。そのため、当院ではミーティングの際に「動作介助のコツ」について情報共有し、安全に介助する上で注意すべき点を意識するようにしています。 ヒトが立ち上がる際、両足を地面につき、その両側の足底面で身体を支えますが、その際に「身体重心(図1)がどのような位置に存在するのか」ということが非常に重要となります。この重心が両側の足底とその間のスペース(図2)で構成される面(「支持基底面」といいます)の中におさまっていれば安定して立ち上がることができます。しかし、介助方法が不適切で、身体重心がこの支持基底面から逸脱しているとふらついたり、場合によっては転倒につながってしまうことがあります。そのため、立ち上がり動作を介助する際には、介助される方に前屈みとなっていただき、身体重心を支持基底面内に移動させた状態で立ち上がり動作の介助するようにしています。 このようにして、当院ではスタッフ全員で情報共有し、より安全に来院していただけるように努めています。 リハビリテーション科 小野正博 |
リハビリ通信 No.314 筋の収縮方法について
2020年02月27日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
理学療法の運動療法を行う時に筋を収縮させ治療を進めますが、筋の収縮方法が大きく2つに分かれます。等張性収縮と等尺性収縮です。等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮があります。重い物を持った時に関節を近づけ筋が縮みながら収縮することを求心性収縮と言い、筋が伸張しブレーキをかけながら収縮することを遠心性収縮と言います。等尺性収縮は関節が一定の位置を維持し、固定された関節の状態で筋が収縮することを言います。 各々に治療を行う目的によって使用方法も変わります。基本的に理学療法士の治療対象は軟部組織です。自ずと出来ることも限られ、関節可動域の改善、筋力の向上、バランスを覚えさせることが主な治療になると考えられます。筋の形状、走行、構造、機能を理解し動かし方、つまり、収縮方法を適切に行うことはとても重要です。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |