骨粗鬆症とともに Vol.53 高齢者に多い骨折のひとつ、橈骨遠位端骨折
2022年01月16日(日) 新着情報1骨粗鬆症
前腕には橈骨と尺骨の2本の骨がありますが、親指側にある橈骨の手首に近いところで起こる骨折のことを橈骨遠位端骨折といいます。転んで手のひらを地面につくことで発生しやすく、骨粗鬆症のある女性に多いですが、若い人でも高所からの転落や自転車での転倒などで受傷することがあります。 症状は手首に強い痛みがあり、短時間のうちに腫れてきます。症例によって違いはありますが、手のひらをついて転んだあとでは、食器のフォークを伏せて置いたような変形がみられることがあります。(フォーク状変形)手がブラブラで力が入らず、反対側の手で支えなければならなくなります。時には折れた骨や腫れによって神経が圧迫され指がしびれることもあります。 治療は転位が少なく、良い形を維持できるようであれば、ギプスやシーネ固定などの保存治療が行われます。骨折部のずれが大きい場合や開放性、粉砕が著しい場合は手術治療が選択されます。 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂 参考文献 整形外科看護 第26巻12号 2021 |
リハビリ通信 No.340 肩関節周囲炎における更衣動作のADL指導
2022年01月09日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
肩関節周囲炎とは、肩関節に痛みと動きの制限をもたらす疾患の総称です。肩関節周囲に痛みを感じて来院される患者様の中には、更衣動作(服の着脱)時や就寝時の痛みを訴えている方は多くみえます。更衣動作では、何気なく患側の肩(痛い方の肩)を後ろに引いたり、捻りが入ると痛みが生じる場合があります。その場合のADL指導は下記をご覧ください。 【洋服を着る時】 患側の袖を先に通し、頭、健側の順番で袖を通します。 【洋服を脱ぐ時】 健側の腕から先に抜き、頭、患側の順番で袖から腕を抜きます。 上記の方法で着脱すれば、できるだけ患側を動かさない状態で実行することができます。 リハビリテーション科 河田龍人 |
リハビリ通信 No.339 歩行について
2022年01月02日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
理学療法を受けている患者さんの中には、歩行が不安定な跛行が見受けられる方も多くいます。正常な歩行から逸脱し、歩容に異常をきたしている状態を跛行と言います。原因には骨・腱・関節・筋・神経等の異常が考えられます。歩行を考察する上で歩行動作を端的に言うと連続した片脚立位の繰り返し運動と考えられます。つまり、片脚立位が出来なければ正常な歩行が不可能であるとも言えます。片脚立位に全荷重が股関節・膝関節・足関節に加わり、骨盤が極端に傾かない様に股関節周囲筋、体幹筋が協同で作用しバランスが調整され骨盤の安定性を維持します。 理学療法では各々の関節が荷重時に作用しているのか、骨盤・体幹は歩行の中でスムーズに安定性と可動性が行えているのかを評価します。治療では筋力低下なのか、拘縮が問題なのか、神経・中枢の問題なのか考察して進めて行きます。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |