リハビリ通信 No.348 膝前十字靭帯損傷について
2022年06月02日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
膝関節前十字靭帯(ACL)は脛骨が前方に引き出されることを防ぐ靱帯です。膝関節前十字靭帯(ACL)損傷は膝関節の外傷の中でも重症疾患の1つです。前十字靭帯(ACL)損傷は再建術を行うことが多く半腱様筋、薄筋で作る再建靱帯または骨付き膝蓋腱の再建靱帯を使用して施行されることが主流となっています。受傷者はバスケットボール、バレーボールなどスポーツを日常的に行っている10代の女性が多く、治療はほぼ再建術へと進めて行きます。 理学療法では再建靱帯の保護を最優先として理学療法を行います。理学療法の治療内容、メニューとしては膝関節の機能向上を目的に可動域の改善、筋力向上(再建靱帯使用で半腱様筋のない内側ハムストリングスを中心に)を行い、その他にバランス向上、筋の協調性向上、筋出力の改善、深部感覚の改善などを行います。重要なことは再建靱帯が再び断裂しないように注意を払うことです。膝関節の機能向上は無論、術後3か月未満の再建靱帯が脆弱な期間および9~10か月の修復停滞期間での慎重な行動等の指導を含め理学療法を進めて行きます。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |
骨粗鬆症とともに Vol.58 骨粗鬆症予防は成長期からが大切
2022年05月30日(月) 新着情報1骨粗鬆症
人の一生のうちで骨量が増えて行くのは、身体がつくられていく思春期までの成長期の間だけです。骨量が最大値に達するのは20歳くらいと言われているため、成長期の間に骨量を増やすことを心がけると、将来加齢とともに骨量が減っていくことになっても、骨粗鬆症の予防につながります。 成長期にある子供達が丈夫な骨をつくるために、日常生活で心がける具体的な対策は以下のとおりです。 (1) 運動 できるだけ外に出て日光を浴び、身体を動かすようにしましょう。骨は力が加わると骨つくる細胞の働きが活発になり、日光を浴びることでカルシウムの吸収を助けるビタミンDが合成されます。運動は骨づくりには大切ですが、やりすぎはよくありません。子供の健康な成長を考えて、トレーニングは正しい知識をもって行って下さい。 (2) 睡眠 睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きによって、骨も身体も健やかに成長していきます。成長発達段階に合わせた睡眠時間を確保し、ぐっすり眠ることが骨の成長には大切です。 (3) 栄養 丈夫な骨をつくるには骨の構成成分であるカルシウムやビタミン類、タンパク質などをしっかり摂ることが大切です。好き嫌いによる偏食、無理なダイエットや低体重ややせ体型が要求されるスポーツでは骨の成長に影響を及ぼします。成長に応じた栄養素をバランスよく摂取することが大切です。 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂 参考資料 骨粗鬆症財団 骨粗鬆症の予防は成長期から-骨が育つ思春期までを大切に過ごす- https://www.jpof.or.jp 2022年5月14日閲覧 |