リハビリ通信 No.351 肩関節の評価(関節可動域)について
2022年10月09日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
肩関節の評価を大きく3つに分けて考えた場合、①関節可動域の評価②筋力の評価③疼痛の評価に分ける事が出来ます。その中で①関節可動域の評価について説明を行います。 関節可動域制限の評価を行う時、肩甲上腕関節(以下GH)、胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲胸郭関節の制限因子も考える必要があります。その中で最も考える必要があるのがGHです。関節可動域の運動方向で屈曲・外転・伸展・水平屈曲・水平伸展の可動域を測定し、日常生活活動動作(ADL)と関係のある結髪動作、結帯動作時に制限があるのか確認を行い、更に詳細に肩関節のどの部位で拘縮があるのか特定するのに1st肢位(下垂位)での内旋・外旋、2nd肢位(90°外転位)での内旋・外旋、3rd肢位(90°屈曲位)での内旋・外旋を計測します。計測時は肩甲骨を固定しGHに他の関節の代償が入らない様に注意して行います。拘縮部位の特定を行い触診、メカニカルストレスを加え疼痛の出現の有無を確認します。肩関節疾患の評価では肩関節可動域がどの肢位で制限があり、その制限角度からどの様な要因があるのか推察していく事が重要です。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |
骨粗鬆症とともに Vol.61 骨粗鬆症治療薬 ビタミンK₂製剤 「適切な治療のために服用中のお薬の情報をお知らせ下さい。」
2022年10月06日(木) 新着情報1骨粗鬆症
骨粗鬆症の治療で処方されるお薬の一種であるビタミンK₂製剤には、骨形成の促進、骨吸収抑制、血清オステオカルシン濃度増加作用があり、骨粗鬆症での骨量、疼痛改善に効果があります。ビタミンKには骨形成の調整作用の他に、血液凝固因子の活性化による血液凝固の促進作用があります。 このような作用からお薬の併用で禁忌とされているのがワルファリン製剤です。脳卒中や心筋梗塞、深部静脈血栓症の予防や治療で広く用いられているお薬です。このお薬は血液凝固因子の肝臓での産生を阻害し、抗凝固作用を示すため、ビタミンKとワルファリンを一緒に摂取すると作用が拮抗し、ワルファリンの効果が減弱してしまうためです。 骨粗鬆症の治療が開始される年代の方では、その他の疾患で治療をされている方も多いため、お薬の飲み合わせには注意が必要なこともあります。安全に確実な治療を提供するためにも、受診の際にはご自身が飲んでいるお薬の内容や作用についての情報をお知らせいただきたいと思います。 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂 参考文献 整形外科看護 第27巻9号 2022年9月発行 メディカ出版 |