新着情報

リハビリ通信 No.13 肩関節軟部組織の拘縮について

2012年02月16日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

肩関節周囲炎など肩関節疾患の中でも関節拘縮による可動域制限は治療を行う上で重要な障害になります。

軟部組織の可動性による相対的抵抗を順に並べると関節包、筋(筋膜)、腱、皮膚の順になり関節包と筋(筋膜)で全体の90%位を占めています。つまり、関節包と筋(筋膜)が関節拘縮改善の治療ターゲットとなります。

とくに、肩関節はGH(肩甲上腕関節)の下方部にAIGHL(前下関節上腕靭帯)、PIGHL(後下関節上腕靭帯)とハンモック状に張っている腋窩関節包があり、その部位の癒着・短縮を改善することが肩関節の完治に結びつきます。

リハビリテーション室長 見田忠幸

リハビリ通信 No.12 膝関節の筋肉について -大腿四頭筋-

2012年02月05日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

大腿四頭筋はおもに膝を伸ばす筋肉で、立ち座りや歩行、階段昇降など日常生活の動作において非常に重要な筋肉です。大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋の4つの筋からなり、それぞれが個別の筋機能を発揮しています。

変形性膝関節症などで膝が動かしにくい患者さんは、何らかの形で大腿四頭筋に問題を生じていることが多いです。これらの筋が日常生活で十分に働くためには、それぞれの筋がしっかりと伸びてしっかりと収縮することが大切だと感じます。最近、超音波エコーで観察してますますその重要性に気づかされています。
理学療法では、大腿四頭筋の問題となる筋肉を個別に収縮したり伸張したりする訓練がポイントとなります。

リハビリテーション科 奥山智啓

リハビリ通信 No.11 肩峰下での大結節の動きについて

2012年01月21日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

健常人でも前腕回内位(手の甲が正面を向いた状態)で外転挙上を行うと、大結節が肩峰下で引っ掛かり(インピンジメント)外転挙上が出来ません。逆に前腕回外位(手のひらが上を向いた状態)で外転挙上を行うと肩峰下を大結節が通り抜け、180°挙上肢位を保持することが出来ます。

肩に疾患がある患者さんの場合、前腕回外位で外転挙上を行っても、肩峰に大結節が引っ掛かり挙上困難になることが多く見られます。なぜならば、肩甲上腕関節内の軟部組織に癒着・短縮が起き正常な運動軌跡(normal tracking)を保てず、大結節が肩峰下を通り抜けることができないからです。

理学療法士は正常な機能を獲得するために、変性した軟部組織に対し評価・治療を行います。

リハビリテーション室長 見田忠幸

リハビリ通信 No.10 関節の音が鳴る原因

2012年01月15日(日) QAリハビリテーション科1QA整形外科1新着情報

膝を屈伸する時などに、関節が「ポキッ」と鳴る現象をみなさん一度は経験があると思います。この音の原因はいくつか説がありますが、「関節の中を液体が移動する時に気泡が破裂する音」という説が一般的です。
関節はスムースに動くために液体に包まれ、液体が潤滑油のような役割をして関節運動に合わせて滑らかに移動しています。しかし、急に動かしたときや、軟部組織の硬さや筋力のバランスが悪くて関節が正しい運動軌跡から逸脱して動いたりすると、関節内に加わる圧がアンバランスになり、潤滑油が急激に移動する現象が起こります。この時に発生する気泡の破裂音が「ポキッ」と鳴る音の正体と考えられます。

関節の音が鳴ること自体はそれほど気にする必要はないと思われますが、痛みや違和感なども伴うようであれば、変形性膝関節症や半月板損傷などの可能性も考えられますので注意が必要です。

リハビリテーション科 奥山智啓

外脛骨障害(がいけいこつしょうがい)

2012年01月14日(土) QA整形外科1新着情報

足首の内くるぶしの少し下にもう一つの骨の出っ張りを認める場合は外脛骨である可能性が高いでしょう。

過剰骨と呼ばれる余分な骨なのですが約15%の人に存在すると言われており、症状のない場合もかなり多いです。スポーツなどで痛みが出る場合があり、押さえると痛む場合もあります。小学校高学年から中学生頃に痛みが出る場合が多いですが、高校生頃にはあまり痛まなくなることもあります。

隆起部の圧迫を避ける、クッションパッドを用いるなどの靴の工夫が最も大事です。扁平足を伴っている場合には足底挿板による装具療法も有効です。症状の強い場合には手術を行う場合もあります。