

リハビリ通信 No.94 徒手筋力検査について
2013年12月03日(火) QAリハビリテーション科1新着情報
徒手筋力検査(MMT)とは、各関節の筋または筋群の筋力を量的に測定する方法のことを言います。MMTは、麻痺や廃用性萎縮による筋力低下などの筋の評価として用いられ、診断や治療プログラムの立案、効果判定と臨床場面で多く用いられています。 MMTの判定基準は、下記の0~5の6段階で評価します。 5 Normal(N) 強い抵抗と重力に抗して完全に運動できるもの 4 Good(G) 弱い抵抗と重力に抗して完全に運動できるもの 3 Fair(F) 重力に抗してなら完全に運動できるもの 2 Poor(P) 重力を除けば完全に運動できるもの 1 Trace(T) わずかに筋の収縮が認められるが、関節運動は認められない 0 Zero(活動なし) 筋収縮が全く認められないもの 長所としては、器具などを使わず簡便に行う事ができます。短所として、技術の熟練が必要だと言われており、検査者の主観的な判断による部分が大きく、他の検査者が行った時との比較には、再現性がないなどの弱点があります。 私たち理学療法士は、廃用性萎縮や外科的手術などによる筋力低下に対して、筋収縮訓練や筋力トレーニングなどの様々な方法で訓練を行い、改善を図っています。 リハビリテーション科 服部 司 |


リハビリ通信 No.93 腰部脊柱管狭窄症について
2013年11月28日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
腰部脊柱管狭窄症とは、教科書的には「様々な型の脊柱管、神経根管、あるいは椎間孔の狭小化であり、骨性または靭帯性要因により、骨性脊柱管、硬膜管、あるいは両者の狭窄化が生じた状態である。」とあります。難しい事が書かれていますが、簡単に言えば、神経の通り道が骨の変性(骨折も含む)や靭帯の肥厚、骨の配列に異常などにより狭くなってしまい、症状が出現するものです。その典型的症状として「馬尾性間欠性跛行」というものがあります。 馬尾性間欠性跛行とは、しばらく歩いていると脚が痛くなってくるが、休憩するとまた痛みが消失し、歩くことができるといった症状です。腰部脊柱管狭窄症は症状として、腰痛は無く、このような症状が出るという特徴があります。この馬尾性間欠性跛行は今まで理学療法では治らないとされてきていましたが、近年、その効果が注目されつつあります。 しかしながら全ての脊柱管狭窄症に効果があるわけではなく、脊柱管(神経の通り道)の変性が軽度であり、腰椎が過前彎(腰を反っている姿勢)しているケースには効果があるそうです。 腰を反っている状態で拘縮(固まってしまっており、動きが出ない状態)していると脊柱管内の圧(硬膜外圧)が上昇するため、理学療法では腰の筋をリラクセーションしたり、腰の関節(腰椎の椎間関節)の可動域訓練を行います。このようにしてわれわれ理学療法士は、馬尾性間欠性跛行の症状緩和・改善を図ります。 リハビリテーション科 小野正博 |

