
リハビリ通信 No.153 結帯動作について
2015年05月21日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
「結帯動作」とは、手を後ろに回す動作です。ズボンの後ろポケットに手を入れる、シャツをズボンの中に入れる、そして女性であれば下着の着脱を行う動作になります。 肩関節周囲炎を患っている患者さんでは、この結帯動作時に可動域制限や痛みのために動作ができないということが多く、改善すべき動作の一つだと考えます。このような制限を認める方は、肩甲上腕関節の上方に位置する組織(棘上筋、棘下筋、肩峰下滑液包、など)での問題を抱えている場合が多く、理学療法ではこれらの組織の拘縮(固まっている状態)、癒着や滑走障害を改善するような治療を行います。そして、この治療ターゲットとなる部分は肩関節周囲炎による炎症が波及した部分であり、且つ神経分布が豊富なため、無理な動きが入ると非常に強い痛みを伴います。 当院の理学療法士は、痛みを出さないように細心の注意を払いながら治療をおこなっております。 リハビリテーション科 小野正博 |




リハビリ通信 No.152 脊髄損傷患者の鼻粘膜移植で麻痺改善
2015年04月28日(火) QAリハビリテーション科1新着情報
脊髄の中には神経線維の束が通っています。体を動かそうと言う脳からの指令は神経線維を経由して筋肉・関節に伝えられます。痛み、熱さ、寒さなどの感覚も神経線維を通して脳に伝えられます。様々な要因で脊髄が損傷すると神経繊維もダメージを受け損傷場所により手足の麻痺が起きます。神経線維が断裂・損傷した場合、再生しにくいため機能の回復は難しいと考えられています。 しかし、最近、新しい治療法が開発されました。「嗅粘膜移植」と言って、嗅粘膜を移植し機能回復を目指す治療が脚光を浴びています。嗅粘膜には例外的に神経の再生が起こっている嗅神経が存在し、嗅神経を含む嗅粘膜を脊髄の損傷部位に細かく切り詰め込むように移植します。この治療法はポルトガルのカルロス・リマ医師が2000年代に入り開発した治療法です。日本では大阪大学の臨床試験で8人中5人に効果がありました。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |
